人生100年時代に必要なライフデザインとキャリア実践

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2018年03月28日

■ キャリア支援の重視度が増している時代

かつて、キャリア支援を会社が率先して行う風潮はあまりありませんでした。ともすると「キャリアに自覚的になった結果、辞めてしまうのではないか」といった考えもあり、会社としてのキャリア支援の意味合いがなかなか理解されていなかったと言えましょう。
 
しかし近年は、一人ひとりがキャリアに自覚的になることを、会社側も求める傾向が強まってきました。年金制度の変化、それに伴う定年後キャリアの必要性などの環境変化が背景にあります。「一生会社にいれば安泰」ということもなくなってきた今、かつてあったような会社で社員を「抱え込む」感覚はずいぶん薄れてきました。その代わり、キャリアの選択肢をしっかり見せていくことが求められるようになってきたのです。
 
また女性については、近年活躍の場が広がるにつれ、キャリア構築が一層注目されるようにもなりました。以前から管理職登用される女性は一定数いましたが、なかなか支援を受ける機会もなかったと聞きます。90年代後半のあるとき、ある機関に頼まれて女性管理者研修の公開講座を行ったとき、ほとんどの人が自腹で個人参加してきていました。「会社で相談できる先がなかなかなくて」と言っていた方がいたのを覚えています。近年の女性活躍推進の中、会社ごとの差はありますが、機会自体はずいぶん増えてきました。

■ 「生き方推進」から考えるのがキャリア実践の原点
 
管理職研修、リーダー研修を性別で分ける必要は本来ありませんが、産休・育休をはじめとするライフイベントが多い故に、キャリアアップのタイミングを悩む機会が、女性の方に多いと言えます。だからこそ、会社の施策に頼りすぎるのではなく、自身の能力は自身で磨いていくのが重要です。育児や介護があるから、能力開発が自動的に中断されるということはありません。誰でもいつでも、能力開発のチャンスはあります。

一人ひとりのキャリア構築を会社が支援する風潮になっている今、研修や面談など、キャリアを意識するための機会は増えています。それは、個々人にとっての意識付け機会であると同時に、会社側にとっても一人ひとりが考えていることを知るための貴重な機会となっています。

簡単にキャリアを決められない場合ももちろんあるでしょう。制度や環境に左右されることもあれば、自身の心の中で葛藤が生じることもあると思います。女性の場合はロールモデルが社内にはおらず、自分がその実践者として道を切り拓いている場合も多くあります。

他社の先輩などに学ぶことももちろんできますが、やはり自らの「実現したい生き方」を考え、その中で自らが選択し、実践していくこと以外にキャリアを実現する道はありません。キャリアの構築の過程では、想定外の紆余曲折が生じ、途中で方向転換せざるを得ないこともあるでしょう。「こうあらねばならない」という考えからは脱却し、長期展望の上で柔軟性を持った「人生のデザイン」と「キャリアデザイン」を考える事が重要です。
 
私たちは既に「人生100年時代」を生きています。人生やキャリアを「デザインする」ことは一部の人が考えるべきことではなく、社会人として「当たり前に必要なこと」になってきています。職場であるいは個々人で、それぞれの人生やキャリアのデザイン、そして現在の仕事の位置付けを話し合ったり内省したりして、事あるごとに振り返り、デザインを修正していくことがますます重要になってきます。

執筆:有限会社キャリア開発実践研究所 代表取締役
キャリアカウンセラー 岸田 良子

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