"介護ができる"から"介護事業をマネジメントできる"人材へ

会社の業態:首都圏を中心に展開している社会福祉法人
会社の規模:従業員 1,000人以上
ご担当者:人事担当理事

当法人は、首都圏を中心に数多くの自治体から介護施設の管理運営の委託を受けています。事業を受託するためには、より積極的に事業提案を行う必要があります。同時に職員のやる気を維持することも重要です。介護サービスの品質は人そのもの。介護スタッフが利用者様一人ひとりへ愛情を持って職務にあたれるよう、職員同士の円滑な交流やマネージャーによるリーダーシップが重要となっています。

■課題・背景

"現場中心"で経営者目線を持ちにくい
 
介護業界には民間企業が次々と参入し、競争が厳しくなっています。この先も生き残っていくためには、社会福祉法人といえども、サービスにさまざまな工夫を凝らし、また利用者の数を増やし利用頻度も高めていかなくてはいけません。同時に、自治体への新たな事業を提案する力も重要となってくるでしょう。しかし現場の介護専門職は忙しさのあまりどうしても視野が"現場中心"になりがちで、経営者目線の発想が生まれにくくなっています。また、介護スタッフは組織体制づくりや採算計算などのスキルも持っていません。そこで私たちはただ現場でのケアに従事する介護専門職で終わらず、その経験を生かして経営者目線で考えられる経営マネージャーを育成していこうと考えたのです。

とはいえ、そうしたマインドの醸成は容易ではありません。離職率が高く、人の出入りが激しい介護業界では、前職で挫折を経験して「自分の能力に自信が持てない」と思い込んでいる人が少なくないからです。今回の研修を通じて彼らの "意識革新"を促し、自らの強みに気付かせることも狙いの一つでした。

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■提案プロセス・実施施策

1年間にわたるワークショップで事業計画を提案

"介護の仕事ができる人材"から、"介護事業をマネジメントできる人材"へとステップアップさせるには、1、2回の研修では意味がありません。やるからにはハイエンドなものにしたいと思い、講師である専門家に依頼をして、1年間かけて全12回の研修を実施するワークショップ型の体系的プログラムを構築してもらいました。また、今回の研修は職員のアイデンティティの再構築という意味もありますので、講師の選定には単に知識を伝える先生ではなく、人間性や知見の深さを重視しました。

学ぶべき内容は戦略論に始まり、マーケティング、マネジメント、組織、会計、リスクマネジメントなど多岐にわたります。1回の研修に終日をかけ、各回のテーマに合わせて参加者たちが現場での具体的な課題を理論的に検証。さらに、持ち帰りの課題や課題図書が出され、次回の研修でそれらへのレポートを発表します。設定された課題に対して、チームで徹底的に議論し、解決策を模索する。「第三者に認めてもらうことで自信になる」という講師の言葉どおり、参加者の表情は研修を重ねる中でみるみる変わっていった印象です。

そして研修の終盤では、チームごとに事業計画を提案。内容のある提案をするには、当然ながら財務や組織への理解など総合力が求められます。結果、参加者が自然に「拠点経営をどう実行するのか」「マネージャーとは何か」を考えるようになるというわけです。

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■成果

経営マネージャーへと意識が変わっていく

社会福祉法人にとって1年間の研修というのは大きな投資です。24時間体制の介護事業で、現場の中心人材が研修のために終日抜けることは現場にとって大きな負担となります。当初は反発もありました。しかし参加者一人一人は高い学習意欲をもって前向きに取り組み、業務改善や事業計画の立案、人材育成について真剣に意見を戦わせていました。財務などに触れたことのない人が多い中、皆でシミュレーションをこなし、損益分岐やキャッシュフローを算定するなど夢中で行う姿に研修の意義を実感しました。

事業提案では、ユニークなアイデアが次々と飛び出し、そのうちの幾つかは実際に事業化しています。このワークショップ型研修は、受講生が各施設で責任者として実績を上げていることもあり、すでに複数回実施されています。

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■参加者の声

介護福祉士 男性 

「楽しいけどとてつもなくしんどいプログラム」という先輩の言葉に嘘はありませんでした。研修の場には、"一言でも聞き漏らしてはいけない"というような緊張感が張り詰め、与えられた課題で頭がいっぱいに。ですが、参加したおかげで、忙しい時にも目先のことだけでなく、視野を広げて対処できるようになりました。より良い介護を提供するため必要なことを考え、日々のケアも手厚くなったように思います。自分の仕事にこれまで以上に誇りと愛情を持って仕事に取り組んでいこうと、気持ちを新たにしました。

■この事例で取り入れた研修メニュー

#戦略論 #マーケティング論 #キャリア開発 #経験学習 #アイデンティティ論 #リーダーシップ #会計・財務・原価計算 #事業計画

■キーワード

#意識革新 #ワークショップ #マネージャー #課題図書 #事業計画 #アイデンティティ

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