【プロジェクトマネジメント】事業を俯瞰できるブランドマネージャーを育てる

会社の業態:光学系メーカー、印刷関連機器等の製造販売
会社の規模:従業員1,000人以上
ご担当者:設計開発部門 管理部長様

製品だけでなく"事業"を俯瞰できるブランドマネージャーを育てる

光学系メーカーとして国内外でブランドを認知されている当社では、印刷機器をはじめ、多様な製品の開発、製造を行っています。印刷機器事業は、習熟効果が高く、比較的参入障壁が高い分野ではあるものの、サプライ品で利益を確保するキャプティブ戦略がいまや主流。機器本体のコストダウンが常に期待されています。同時にセキュリティ対応、スマホ対応、リサイクル、省電力など多様なニーズにも対応していかなくてはなりません。

■課題・背景

「いい図面が描ける」では不十分

設計は製品のQCD( Quality、Cost、Delivery)を左右する大事な要素。その意味で、設計開発部門のメンバーには本来多角的な視点が求められます。単に「いい図面が描ける」では不十分で、マーケティング部門と新たなアイデアを出したり、ユーザビリティを向上させたり、事業を横断した部品の共有化を進めたり――。さらに、協力会社を含めてスタッフのアウトプットを管理するなど、プロジェクトマネージャー、自動車業界などでいうブランドマネージャー的な資質が重視されるようになっています。

しかし現実には、「製品企画や生産性、採算性、また環境性などは別の部署が検討すること」と考えている者が少なくありません。戦略系の研修も実施していましたが、"知見として押さえておこう"という程度で、現場では生かされていませんでした。そこで今回、専門家の力を借りて、実効性のあるプロジェクトマネジメント・プログラムの構築を目指しました。実際に行ったのが、製品開発の模擬研修です。

8_1.jpeg

■提案プロセス・実施施策

戦略案から実行まで、プロジェクトマネジメントを習得

研修の参加対象は、設計開発部門の責任者クラス。半年間にわたり、月に1度、2日間集中してワークショップを行いました。具体的には、講師の先生のファシリテーションのもと、模擬的な製品開発をチームで実施。戦略立案から実行まで、プロジェクトマネジメント全体を学ぶ形としました。

研修のフェーズは大きく4つです。第1フェーズは製品の概要設計。営業やカスタマーサービスの声を聞きつつ、一方で他社と差別化する優位な機能を考案します。単なる高機能はオーバースペックになるので、カスタマーエクスペリエンスをイメージし、ベネフィットの最大化を図ることをポイントとしました。この段階では、素材、加工、コストなどさまざまな課題を列挙させます。

第2フェーズはプロセスの可視化です。関連部門を交え、列挙した課題解決のプロセスを探っていく。投資時間と必要スキルと工数を紐づけ、標準的に行えるプロセスと改良が求められるプロセスを区分しながら目標時間を設定していきます。そして第3フェーズはコストの検討。技術者にとってコスト計算は苦手な分野。そこで、原価計算や損益分岐点といった基本から学習し、マーケティングとコストの関係性まで研修してもらいました。

そして第4フェーズがリーダーシップとモチベーション。ブランドマネージャーは明確にゴールを見据え開発を進めていくことが求められますから、研修で重点を置いた部分でもあります。講師の「技術論も大事だが、リーダーは品質、コスト、カスタマーエクスペリエンス、すべてにおいて"誠実さ"を追求すべき」という話が強く記憶に残っています。

8_2.jpeg

■成果

研修の真の狙いが参加者に伝わっている

研修前、現状でも多忙な管理職に、ブランドマネージャー的な役割を担わせるのは酷ではないかとの懸念もありました。しかし研修を終えると、自然と「こんな製品をつくってみたい」という姿勢が生まれ、他部署を巻き込み、市場とコンタクトを取って、新しいものを創造しようという機運がぐっと高まっています。

実は研修の真の狙いに"製品開発者から事業開発者へのステップアップ"がありました。斬新なビジネスモデルが競争力の源泉となる中、立体的に事業を俯瞰してほしい、と。研修参加者から興味深い事業アイデアが提出され始めていて、成果を実感しています。

8_3.jpeg

■参加者の声

開発部門設計リーダー 入社23年

「目線が広がった」。これが研修を受けての一番の感想です。例えば、講師の先生のアジア市場の話は面白かった。印刷機器の機能への要望は日本とは異なる点も多く、いわゆるリバース・イノベーションも十分あり得るとの感触を得ることができました。

また今の時代、設計者にも起業家マインドが求められることも強く感じました。コストダウンについては、マーケティングや原価計算との関係を構造的に学べたことが仕事にしだいに生きてきています。リーダーシップの研修も、元気がわくプログラムで理屈抜きで楽しかった。歴史的にリーダーシップの変遷を学び、過去のリーダーの逸話を聞き、熱いものを感じました。「40代は大小問わず歴史に残る仕事をしよう」という講師の言葉に乗ってみようかなと思っています(笑)。

■この事例で取り入れた研修メニュー

#プロジェクトマネジメント #マーケティング #ビジネスモデル #業務分析 #タイムキャピタルマネジメント #リーダーシップ #原価計算

■キーワード

#プロジェクトマネジメント #戦略 #生産性 #リーダーシップ #ワークショップ #カスタマーエクスペリエンス

一覧へ戻る

HABSとは

お役立ち情報

top