MBAを学ぶ理由:Ⅰ 戦略・アカウンティング

ビジネススクールや専門職大学院では、オーソドックスな言い方をすれば、経営資源であるヒト・モノ・カネ・情報にかかわるテーマを体系的に学びます。その知識をベースに、実務的な経営戦略を学ぶのがMBAです。基本的な科目構成は、世界レベルでほぼ標準化されています。

ヒューマンアカデミービジネススクール(HABS)では、科目単位で受講できる公開講座「MBA Essentials」を定期開催しています。今回は「MBA Essentials」の科目カテゴリである『Ⅰ 戦略・アカウンティング』で学ぶ「戦略・経済・会計」について、触れていきたいと思います。

■ about Strategy

戦略が何故必要かといえば、簡単にいえば「人は失敗するから」です。経営というのはメタアナリシスで、過去の事例を分析し、共通の要素を導き、一つの理論や概念を生み出します。つまり、歴史から学ぶのです。例えば、事業で成功を収めるには、端的にいえば、時代の追い風に乗るか、強みを活かすか、です。どんなによいアイデアであっても、この2つにマッチにしなければ、成功は難しいでしょう。

戦略論の様々なフレームワークは成功を導くというより、成功に近づけてくれるものです。これには2つの側面があります。一つはミスや抜けもれを気づかせてくれる側面。もう一つは新たな可能性を気づかせてくれる側面です。戦略論を熟知しても事業に成功するとは限りません。戦略論を学ぶのではなく、考え方を学ぶ。戦略と思考はワンセットです。MBAで思考というとロジ カルシンキングやシステムズシンキングが連想されがちですが、これらは問題解決の領域です。戦略の領域においては、発想を豊かにしていくための思考能力が必要です。

■ about Economics

経済学を学ぶことで、世の中の仕組みが見えてきます。例えば、保護貿易に経常赤字を減らす効果はありません。TPPで日本の農業が打撃を受けるという意見がありますが、本当でしょうか。日本はデフレ対策として大胆な財政政策を行ってきましたが、財政健全化には程遠い状態といえます。何故でしょうか。

これらはマクロ経済学の領域です。

貧困や格差が問題になっています。では、貧困の定義は何でしょうか。また、貧困に対してセーフティーネットは本当に効果があるのでしょうか。IoTは職を奪うという話があります。技術の進歩は職の一部を奪う一方で、雇用の機会も創出します。貧困の問題は、貧困から移動できるかどうかという点にあります。僅かしか移動できないとすれば、貧困は世襲化されます。

こうした問題はミクロ経済学の領域です。

経済学は、答えを見つけるものではなく、思考のフレームワークを提供してくれるものです。

「今は景気が悪いから何をやっても駄目だ。」
「景気がいいから投資をしよう。」

毎年そんなことを言い続けていたら、会社の経営方針や中期経営計画は意味を成しません。

私たちは、私たち一人ひとりが社会・経済のパースペクティブをとらえ、グローバル、国、業界そして今いる会社や組織をマクロに捉えていくことを求められています。

■ about Accounting

会計は、経営の状態を数値でとらえたものです。MBAで学ぶ会計というのは、経理処理技能を指すのではなく、経営の状態を見るためのものです。つまり、健康診断のようなものです。

例えば、1年間頑張って運動をして食事も制限し、5kg痩せたとします。「5kg痩せた」、これが1年間の結果です。さらにこれを5年間継続した結果、体脂肪が5%になって全ての数値が健全になり、生活習慣病からすっかり抜け出せたとします。これらの成果を財務諸表に記すとすれば、1年間の成果は『損益計算書』で表すことができ、5年間の蓄積成果は『貸借対照表』で表すことができます。いくら運動をしてもそれ以上に食べてしまえば効果は出ません。売上を上げてもそれ以上に費用がかさめば赤字になるのと同じです。

会計を知るということは、経営の状態を数値で見ることができるということです。

「どの数値が健全であるのかないのか。」
「どの数値とどの数値が強く関係しているのか。」
「どの数値を改善すればどの程度良くなるのか。」

ということを客観的かつ構造的に理解できるようになります。

会計は、一見難しそうに見えますし、用語も分かりにくいものが多いです。しかし、それは健康診断書を見ても同じことがいえます。知れば知るほど原因や対策が見えてくる。自分の強みに「経営の数字」という武器を一つ持つことで可能性はグッと広がります。一企業の会計を業界単位で見ていくと経済が見えてきます。マクロとミクロを、数字を使って、いったりきたり見ることができる能力を習得すること、これが会計学の魅力です。

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