正しい目標管理(3) 業績評価と成果主義

■成果主義に基づいた業績評価であること

仕事の部分だけで業績を評価し、人に関わる要素を省くことは、今日、特に重要になってきています。もし、市場が右肩上がりで拡大基調にあるのなら、とにかく努力していけばそれが成果に結びついていくでしょう。しかし、市場が現状維持かあるいは縮小傾向である場合は、そううまくはいきません。以前は遅くまで残って前向きに頑張っていた人がたいてい成果を上げていたかもしれませんが、最近では遅くまで残っているからといって必ずしも成果が出ず、手を抜いて適当にやっているのではないかという人から高い成果が次々と生まれてくるといった状況が起きているのではないでしょうか。

このように、努力が成果に直接結びつかないような場合、正確な業績評価を行うためには、どうしても「具体的にどんな成果が生まれているか」をきちんと把握しなければなりません。つまり、人と仕事をきちんと分けて純粋に仕事の部分だけで業績評価をする必要があるわけです。市場が拡大している場合は、成果になりそうなネタはいたるところにあり、頑張っていれば何とかうまくいく可能性が高いでしょう。しかし、今日のような競争の激しい状況では、あらかじめ何を成果として生み出そうとするのかを具体的なイメージで想定し、その成果創出に集中しなければなかなか高い成果は得られないということなのです。たとえば、顧客を訪問するという場合でも、訪問すれば何か情報が得られるということで訪問するのではなく、訪問する目的として顧客のニーズ・シーズ等有効な情報を収集するというイメージをしっかり意識して訪問しなければ、成果は生まれないということです。

成果主義に基づいた業績評価とは、「態度や能力は関係ない、要は結果だ」という考えに基づいているのではなく、効果的・効率的に成果を生み出していくためには、何が求められる成果なのか具体的なイメージを社員に意識してもらい、その方向に集中してもらうことが大切だという考えに基づいたものなのです。

■評価における成果責任と目標の関係
 
よく行われている業績評価は、いくつかの項目があってそれをチェックし、そのチェックの結果を参考にしながら、総合評価結果を出すというやり方です。このようなやり方では、そもそも元の評価項目が非評価者のポジション(職務)にとって適切なのか明確でないままに評価されてしまうので、結果的に納得性の得られない評価結果になりやすいものです。こういう場合、ポジションにふさわしい成果責任(通常7つ程度)を設定し、各成果責任毎に具体的な成果イメージを目標として設定し、それらの目標がどれだけ達成されたかを評価したほうがより適切な評価ができるようになります。

成果責任という言葉はすでによく知られていると思いますが、念のため、その定義を示しますと、「あるポジション(職務)に期待される仕事上の成果を生み出す責任」をいいます。たとえば、営業課長(本社)の場合は、以下のように、通常、7つ程度に分けて設定されます。

● 〇〇(製品・サービス名)の販売計画を達成する
● 〇〇(製品・サービス名)の年度販売計画を立案する
● 担当製品・サービスの売上高を拡大する
● 顧客(人)との関係を維持・向上する
● 取引先(組織)との販売契約を維持・改善する
● 担当製品(・サービス)に関する支店・営業所の販売力を強化する
● 有能な部下を育成する。

この成果責任は、たとえば、営業部長や営業主任のように、ポジションの上下によって当然大きさが異なり、その質的内容も異なります。ですので、成果責任がそれぞれのポジション毎に上下の区別を明確にして設定されていれば、上司と部下の間で同じような目標を設定することはなくなり、納得感の高いものになるわけです。

次回は、業績評価との関係で、能力評価の位置づけについて説明します。

執筆:髙橋 宏誠

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