正しい目標管理(6)PMSのサイクル-1

■ PMSの3つのステップ

PMS(パフォーマンス・マネジメント・システム:業績管理制度)は、以下の通り、3つの段階から成り立っています。

1.成果目標の設定(Target Setting)
2.成果目標の実行支援(Managing & Coaching)
3.成果の評価(Performance evaluation)

ここでは、それぞれの基本的な考え方を説明し、この後、成果目標の設定を中心に説明していきます。

1.成果目標の設定(Target Setting)

成果目標の設定とは、結果イメージを文書化し、その結果の評価を可能とすることです。一般に、「目標設定の如何が評価の8割を決める」とされています。 

1)基本ルール 1
① 上位職位の人から順番に目標設定すること
たとえば、管理職一歩手前の主任というポジションは、担当との間に正式の上下関係(部下と上司の関係)はありません。そうはいっても組織の全構成員が一斉に目標設定をしたのでは、皆がばらばらな方向を向いてしまいます。そこで、まずは主任の人から目標設定をしてもらい、本人との合意が取れてから、担当、そして、その下の職位の人、たとえばアシスタントと目標設定を進めていきます。

② 目標設定は管理職と部下で連鎖すること
部下の方から目標設定するものの、管理職と部下との間で目標が連鎖することが望ましいでしょう。したがって、管理職は自身の目標と方針を部下に提示することで、部下が設定する目標に一定の方向性を与えます。その後で、部下に目標を設定してもらうようにします。 

③管理職は、部下に対して目標の押しつけを行わないこと
部下が職場状況を理解し、上司の成果に貢献できる目標を自ら設定するように誘導します。

2)基本ルール 2
各目標について、①何(活動)を、②どこまで(評価基準とその要求レベル)、③いつまでにやるかを明確にする必要があります。

2-1.成果目標の実行支援(Managing & Coaching)原則と必要性

成果目標の遂行支援についての詳細は、次回説明することとし、ここでは、成果目標の遂行支援の原則とその必要性について説明します。

1)原則:自由な目標の遂行
目標設定が終了し、今期果たすべき成果が明確になれば、後は各人が自由に創意工夫しながら目標達成に向けて職務を遂行することが求められます。グローバルスタンダードに基づく人事制度の下では、職務の遂行については各人の自由裁量にゆだねられます。成果について厳しく問うためには、そのプロセスについては各人の自由に任せることが前提だからです。

もちろん、各人の裁量といっても、企業倫理及び会社や部門の方針に沿ったものである必要があることは言うまでもありません。各人の自由な目標遂行にゆだねることは、風通しの良い自由な社風の醸成につながります。また、自己責任の下で、結果を出すために頭を振り絞って創意工夫することで、本人の能力開発ともなるのです。裏を返すなら、職場の社風が自由な雰囲気となっていない場合は、本来の目標管理が本当には理解されていないと言っても過言ではないでしょう。

2)管理職による支援の必要性
職務の遂行は各人に任せるといっても、普段は全く放任していて評価の時になると急に成果を厳しくチェックするというのでは、単なる「ノルマ管理」になってしまいます。PMSは組織としてのパフォーマンス向上のためのマネジメントツールであり、管理職には組織としての成果を最大化する責任があります。

成果達成のプロセスを各人の裁量に任すだけに、管理職による時宜を得た適切な助言・支援(コーチング)がこれまで以上に必要となります。また、部下が管理職の指導を得ることが必要だと判断した場合には、気軽に相談できるような状況を管理職自身が醸し出しておく必要があります。部下の目標達成状況は組織としての成果を最大化するという管理職の責任に大きく影響するからです。

このように、上司と部下は目標達成のための責任を共有しているということを両者とも常に意識していることが必要です。

次回は、成果目標の遂行支援の続きと、成果の評価について説明してきいきます。

執筆:髙橋 宏誠

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