正しい目標管理(7)PMSのサイクル-2

前回の通り、PMSは、以下の通り、3つの段階から成り立っています。
1.成果目標の設定(Target Setting)
2.成果目標の実行支援(Managing & Coaching)
3.成果の評価 (Performance evaluation)

今回は、「2.成果目標の実行支援(Managing & Coaching)」の続きと「3.成果の評価 (Performance evaluation)」を説明します。

2-2.成果目標の実行支援(Managing & Coaching)

3)行動記録を取る
① 目的
評価の際、評価者・被評価者双方が納得のいく評価となるためには、目標達成のための業務の日々の具体的な行動を確認しておく必要があります。

② タイミング
部下が担当している業務の中で、重要だと判断した業務については部下からの「ホウレンソウ」に際して記録を取っておきます。客観的根拠こそ評価の納得性につながるからです。例を
挙げましょう。

<例1>
○月○日 A氏:事前に念押ししたにもかかわらず、書類の提出期限を守れなかった。評価C。指導内容:遅れる場合は、事前に報告するように注意した。その後の状況:翌月、また同様のことがあり、再度注意した。

<例2>
○月○日 A氏:関係(担当)部門ができないといったことに対して、自身で解決策を探し実行をしていた。評価A。その後の状況:関係部門から高く評価される。
  
記録した時点で、内容について部下にも共有しておくとよいでしょう。以上は、日本企業において無理のない進め方として、これまでのコンサルティングの中でご提案し、実践していただいているものです。ただし、欧米企業では、「ONE ON ONE」ミーティングというやり方で進められています。最近は、ONE ON ONEについて書籍が出版されるなど日本企業にも広まっているようですので、ここで、概要をご説明しておきます。

4)ワンオンワン・ミーティング
上司と部下が一対一で対話することです。上司から部下に対しては、これから会社が進もうとしている方向性や、部下に対して期待していることを正確かつ率直に伝えるものであり、部下から上司に対しては、それらを理解するために積極的に質問したり、悩みがあれば上司に相談するものだという欧米企業の慣行です。

<ポイント>
● 一対一であること、前もってスケジュールに組み込んでおくこと、また、部下にもその場で何をどう話すべきなのか考えて準備をする時間を与えることが重要です。
● 1ヶ月に一度でも構わないが、頻度の問題ではなく、一対一の対話が習慣づけられることが重要です。

<メリット>
● 日本人は一般的にシャイで、面と向かって語り会うことを避けようとしますが、それは人生を本音で語ることから逃げるのと同じといえます。ワンオンワンは上司にとっても部下にとってもお互いをより深く理解し、成長する機会となります。
● やめそうな社員の情報が入ってきたりして、早い段階で慰留に努めることができたり、後釜探しに出遅れることがなくなるなどの副次的効果があります。

3.成果の評価 (Performance evaluation)

成果の評価については、別途、「評価者トレーニングの進め方」を予定しておりますので、その際詳説することとし、ここでは成果評価の目的等について説明します。
 
1)評価の目的
繰り返しになりますがPMSは 「社員一人ひとりが業績目標の設定と達成を通じて意欲的に仕事に取り組み、企業風土自体を成果志向に変革することで、会社の業績を最大限高めること」を目的するマネジメント・システムです。したがって、評価の目的は基本的には部下の育成にあります。

① 部下の能力開発
部下に期待する仕事の成果の評価を行い、今後の育成に結び付けます。
 
② コミュニケーションの活発化
これまでは査定ということで、どちらかといえば上司から部下に対する一方的な通知にすぎなかったかもしれません。PMSとは、評価というプロセスを通じ、上司部下の間での話し合いを通じて職場における部下育成の環境を醸成するものです。

2)目標設定から評価結果の決定までの大まかなプロセス

① 【目標設定】本人が上司との面談を通じて、目標設定を行う。
② 【業績評価】本人が自己評価を行い、上司へ提出。上司は部下との面談を通じて成果を確認する。
③ 上司(1次評価者)が1次評価を次の評価者(部長)に提出する。
④ 部長(2次評価者)が評価を行い、部全員分の評価フォームを人事部に提出する。
⑤ 人事部で集計・分析の上、人事委員会で最終決定する。

3)評価を通じた部下育成の原則  
部下育成においては、部下が仕事で成果を出せるように支援すること、が重要であり、そのために、
● 自分は部下にどんな行動、仕事を期待するのか、具体的に伝えること
● 部下の行動・仕事に対してフィードバックする(認める・注意する)こと
が欠かせません。

次回は、目標設定面談の進め方を予定しています。

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