正しい目標管理(8)面談の実際

PMSの考え方についてお話ししてきましたが、今回は面談の進め方の実際について そのポイントをご説明します。

■ 面談の進め方

1.面談の基本

面談は、上司・部下で部下の目標設定や育成そして評価についてじっくり話し合い、双方が合意するための非常に重要なコミュニケーションの場です。PMSの場で決定された成果評価は社員の処遇に直接反映されますので、上司の方は多忙な中でもやりくりして面談の時間を捻出してくださるようお願いします。参考までに、GE等、業績が優れているグローバル企業では、管理職がマネジメントに使う時間は60%から70%程度とされています。

1)面談の目的

① 部下の目標設定
目標の内容の合意。上司は、部門の方針あるいは自身の年度目標を部下に明示するとともに、それらを踏まえて部下に目標設定するように指導します。

② 部下の育成支援

後日説明します。

③ 部下の成果評価

同上。
 
2)実施回数とその時期
面談の回数は、年4回されることをお勧めしています。通常は期初の目標設定、半年後の中間評価面談、1年後の最終評価面談というやり方が多いのですが、部下育成のための面談を3ヶ月後と9ヶ月後に公式に実施してもらうことで、おろそかになりがちな部下の育成を強化することが狙いです。

3)当事者
本人及び直属上位職階者です。直属上位職階者とは、通常、課長を示しますが、課長が不在の場合は、ライン上の上位職階である部長、または本部長です。注意していただきたいのは、主任などの非職階者(非管理職)は含めないことです。

4)面談時の環境

① 部屋を必ず確保する
もし用意できない場合は、パーテーションなどで区切った環境を準備します。上司部下でなかなか合意にいたらない場合など、双方ともに人には聞かれたくないものです。
 
② 部屋の広さが狭すぎるのは要注意
お互いの目と目の距離が近すぎると、窮屈で気が抜けず、部下は言いたいことが言えなかったり、反対に、熱が入りすぎて険悪になる可能性があります。

③ デスクの大きさが上司・部下の心の距離を決める
相手に面談資料が見えない距離が理想です。

④ 面談は1対1で行うのが基本
たとえば、担当者の面談に際して主任(または係長)を同席させることは避けます。目標管理はマネジメントそのものであり、管理職の責任だからです。
 
5)応対のポイント

① 迎え入れるという姿勢
部屋で部下を待ち、上司から椅子を勧めます。上司が暖かい姿勢で丁寧に応対することで部下も謙虚な気持ちになりやすいものです。

② 部下を名前で呼び日々の成長や成果を言葉にする
名前を呼ばれる度に、部下は自分の存在が認められていると安心します。部下の成長や成果を認めることで、部下は自分に関心が向けられていることを意識し、満足します。

<例>
「〇〇さんは、最近よく頑張っていますね。」

③ 相手の心情を理解していることを伝える
部下にとって上司との面談は緊張と不安で一杯です。たとえば、「〇〇さんと一緒に考えていきたいのだけど・・・」というように、一緒に考える、ということを言葉で伝えることで、共感していることが部下に伝わりやすくなります。

次に、目標設定面談における一般的なプロセスを示します。

2.目標設定面談のプロセスと問題への対処方法

1)目標設定面談のプロセス

① 部下の設定した目標について説明を聞く
② 自分(上司)が期待する目標について具体的に伝える
③ 双方にズレが生じている目標を確認にする
④ 目標の何がどのようにズレているのか(問題)を確認する
⑤ ズレのポイントについて質問する(オープン質問)
⑥ 十分に話し合う
⑦ 意思決定する

2)部下の目標設定上の個々の問題への対処方法
上述の④(目標の何がどのようにずれているかの確認)の段階で以下のような問題に遭遇した場合、⑤(ずれのポイントについて質問する)の段階である程度効果のある対処方法があります。

① 上司の期待レベルよりも低い目標を立てようとする場合
これは多くの場合、自信がないことが原因です。従って、どんな支援や援助があればより高い目標設定ができるか質問します。

② 本人の能力でできる事よりも低い目標を立てようとする場合
これは、本人が楽をしたいという気持ちの表れであることがほとんどです。こういう時は、達成したらどのように評価されたいかを尋ねます。

③ どう考えても達成不可能な目標ばかり立てようとする場合
まれなケースですが、こういう時は具体的にどんな方法で達成しようとしているか聞いてみます。

④ 上司の言ったことのみを目標としている場合
本人の意思がないということです。こういう時は、どうしてその目標を選んだのか聞いてみると良いでしょう。

執筆:髙橋 宏誠

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