コミュニケーションとネットワーキングを進化させる「ティーアップ」

■ 相手の気分を高めるコミュニケーション

ゴルフで「ティーアップ」という言葉があります。良いショットをねらってボールをティーに載せることですが、この言葉はコミュニケーションのやり方にも使 われています。円滑なコミュニケーションを進めるための手法で、意図しなくても日常的に使っている人は多いのではないでしょうか。

たとえば初対面の人と商談をするとき、いきなり本題に入らずに、相手のつけているネクタイを「その柄すてきですね」と持ち上げてみることはないでしょうか。友達同士で会ったときに「そのカバンいいね」と言うこともあると思います。コミュニケーションを始めるときには、誰しも話をなごやかに展開したいと思うものです。相手の気分が良い方が話は弾みます。その際にこのティーアップコミュニケーションが役に立つのです。

しかし気をつけねばならないのは、外れるときがあることです。

たとえば髪型が変わったときに「髪切ったんですね」と声を掛けた場合、本人が切って失敗したと思っていると、良かれと思って掛けた言葉が逆効果になってしまいます。相手の気分をあげようとしたのに、落ちてしまう。この対応力をあげるには、1段で終わらず3段構えでいくことです。「髪切ったんですね」で終わらず「前も似合っていましたが、私、今のスタイル好きです」と重ねるのです。「髪を切ったことに気づいた→前も良かったと確認し→今がより良いと私が思っている」と3段階伝えると、相手が前向きに受け止める可能性が増します。コミュニケーションは経験の積み重ねが一番なので、様々な場面を体験することが一番のスキルアップでしょう。

■ 自分ブランディングを高める動き方

ティーアップにはもう1つ、自分自身を「あげる」やり方があります。気持ちをあげるのではなく、自分自身を高めるブランディングです。

たとえば名刺交換会のような場で自分を印象づけたいと思ったら、どのように行動しますか?「できるだけ多くの人と名刺交換する」というのは得策ではありません。ここで使うのがティーアップ行動です。

まず近くにいたAさんと名刺交換をしたとします。そこでしばらく話し、いくつかAさんの特徴となるキーワードを引き出してください。しばらく経って次のBさんと名刺交換したあと、「いい方がいますよ」とキーワードをつなげてAさんを紹介するのです。次のCさんと名刺交換したときにも、AさんやBさんを紹介します。すると、そこで話した人は皆、あなたのことを、人を紹介してくれる、つなげてくれる人だと思うことになるでしょう。周りのことを考えてくれる、様々な情報を知っていてつなげてくれる、と思ってもらうだけで、あなた自身のブランディングは強化されます。自分自身がティーアップされたと言えるのです。

名刺交換会に限らず、セールスの現場で多かれ少なかれやっている営業の方は多いでしょうし、経営者も多いと思います。ネットワーキング力が高い人の共通する力と言うこともできるでしょう。悪意を持ってやらない限り、人を紹介するだけで変な事態になることはありません。ティーアップを意識した行動を進め、自身の動きやすい環境をつくりだしてみてください。 

執筆:株式会社SRプランニング 代表取締役 /
合同会社わいびっと 代表 /
経営コンサルタント 森田 哲

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