人生100年時代とカスタマー・エクイティ

100歳以上人口は7万人。2050年には50万人を超えるらしい。金融・保険会社が人生100年時代に合わせたEBM(Event Based Marketing)を企画するのも頷ける。私はそこまで生きている自信はないので見込み客にはなれない。

成熟市場や人口減少市場においては、新規顧客を獲得するのは容易ではない。既存顧客のライフタイムバリューに注力したほうが効率的ではある。ライフタイムバリューを追求する考え方にカスタマー・エクイティがある。バリュー・エクイティ、ブランド・エクイティ、リテンション・エクイティの3つから構成される。事業特性によって3つのウェイトは異なる。つまり経営資源配分に役立つ。また、配分を変えることで差別化の視点を見出すこともできる。

顧客の嗜好などはライフタイムを通じて変化する。日産に乗っていてもベンツにスイッチすることもある。しかし、日産に戻ることもある。ブランドの世界には、一度流行したブランドはいつか復活するという神話がある。アーリー・カスタマーという言葉を聞いたことがある方も多いだろう。最初にその財を購入または利用する顧客層だ。特に子供時代や若い時に親しんだものは、歳を経て再度親しんでみたくなる。おじさんをターゲットにしているのか、街の遊技場の看板には昔のアニメが並んでいる。懐かしさというのは豊で楽しいものだ。心理的ベネフィットそのものだ。

顧客の生涯を通じての関係性は100年であるから、一時的なスイッチも容認できる。大切なことは関係性を維持することだ。Keep in touchでよい。結果として個客となる。個客化においては個人情報価値が高くなることを意味する。ライフサイクルの図を描くと正規分布図のようにはならないとしても、インティマシーの構築の仕方次第でライフサイクルの積分面積は異なってくる。これを世界的規模で考えるとダイナミックなEBM戦略が描けるかもしれない。例えば、80年代にはやった日本のアニメが世界展開され、現在の子供世代が観ている。彼らが次のライフタイムバリュー世代となる、というように。

執筆:宮川 雅明

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