技術とマネジメント~共創とオープンイノベーション時代における本質~

2018年末、「2050技術・マネジメント知の育成研究会(TM研究会・2008年発足)」のシンポジウムが開催された。シンポジウムの内容ではなく、技術とマネジメントというフレームワークに言及したい。私の勝手な感覚であるが、技術とマネジメントは経営原理の一つであると思っている。MITのエド・ロバート教授は、イノベーションとは発明+商業化といっている。

リスティング広告を先に発明したのはヤフー!であるが、ビジネスとして先に成功させたのはグーグルである。古くはソニーのトランジスタラジオも発明+商業化といえる。発明を仮に技術革新と置き、商業化をマネジメントと置いたらどうだろうか。

米国ナスダック企業の人事制度を支援した際、人材マネジメントのフレームワークをスペシャリティ(技術)とジェネラリティ(普遍的資質)のマトリクスとして、基本3制度を設計した。このモデルはManagerial Grid(Blake & Mouton 1964年)やPM理論などを参考にしたものである。成果を出すには各機能において必要な技術やスペシャリティがある。生産部門であれば要素技術や加工技術などである。本社系部門であれば法務、財務などのスペシャリティが必要となる。これら個々の技術やスペシャリティをビジネスとして成立させていくには、戦略と管理といういうものが必要となる。一言でいえば組織化だ。新鮮で美味しい素材を集めても、最後は料理で決まる。

管理原則の父といわれたアンリ・ファヨールは、技術活動を含めた不可欠な活動を機能させるためには経営活動(Administration)が必要であると説いた。間違った方向に組織化すれば 技術は無駄になり、非効率な組織化も無駄が出る。組織化とはマネジメントそのもの或いはその中核といえるのではないだろうか。

CSV(Creating Shared Value)やオープンイノベーションの時代においては、技術もマネジメントも共創の時代に入った。しかし、いつの時代においても、技術とマネジメント、そして、その本質にあるのは「スキルと精神」である。

執筆:宮川 雅明

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