トレーニング~実験は徹底的に!~

事業開発人材の育成に関する相談の内容が少し変わってきたというか、やっと変わってきた感じがする。

第1単位は「戦略論をやりましょう」、という話が出る。

内容は「外部環境分析ですね」、次に「内部環境分析ですね」。外部環境分析ではPESTは必ず入ってくるのであるが、「それは知っています。」となる。

「オープンイノベーションをやりましょうか。」「それはあまり知らないので是非内容に入れて欲しい。」

PEST分析はあまり役に立たないという専門家もいるが、時代の変化を捉え、先を観るという点において、PEST分析は効果的な手法である。手法なので改良の余地はあるだろうが。

「知っている」と「できる」は違う。誰しも聞いたことがあるフレーズだ。私も師匠から何度も言われた。私は今まで「これは!」というPEST分析をあまり見たことがない。PEST分析は定期的というか何度も作る必要がある。役に立たないと言う前に、1年前のPESTと今のPESTを比較しているのだろうか。

師匠曰く、
「宮川、新聞なんてものは確認で読まないといけない。こんな記事がそろそろ出てくるはずだと。もし、意外な記事があれば、何故そのような記事が出たか、その場で説明してみることだ。」

マーケティングで4Pという手法がある。これも専門家によってはあまり意味がないという意見もある。しかし、導入期と成長期で4Pは異なる。ライフサイクルは変化する。当初想定した成長期のプロダクト戦略は見直す必要があるかもしれない。市場に新たな財を投入すれば変化の波が起こる。すると、競合他社が類似のプロダクトを投入してくる。波の形は変わってくる。残念ながらマーケティングとゲーム理論までを繋げて学ぶことは少ない。

相談の内容が変わってきたというのは、教育はやってきているが効果が見られないということだ。理由はシンプルだ。トレーニング不足である。PEST分析も何回作りあげたことがあるだろうか。何回も作りあげるプロセスを通じて、時代の根底にあるモデレーターが見えてくる。

事業開発に必要なものを知識(インテリジェントスマート)と経験(ストリートスマート)の両方とすれば、相互に何度も行きかう必要がある。恐らくはPEST分析は何度も作り込みをするはずだ。作り込まなくても、予測したPESTに対して、はたして時代がそのように動いているかを検証するはずだ。

知識、そして実験、そして経験、というサイクルが大切だ。変革型リーダーシップにおいては、実験の奨励を指摘している。実験は徹底しないと意味がない。そうしないと、何が間違っていたのか、間違っていなかったのか、学習できないからだ。適当な実験では適当な結果しか得られず、学習は得られない。実験は小さいものからやってみるのだが、この小さな実験も行わないことが多い。事業企画を検討し、提案して終わってしまう。「街に出て、ペルソナを見つけて、インタビューをする」ことさえしない。小さな実験さえしないのであれば、どんな企画も書き物にすぎない。今の教育に求められるものは、得た知識を身体が覚えるくらいにトレーニングする習慣と実験する勇気だ。

大昔に読んだ本でこんなことが書いてあった。
「人が考えたことを知識として知ることで考えたという錯覚に陥ってしまう。」

検索や知識を得ること、アウトプットをまとめることには時間を使っているが、考えることにどれだけの時間を投資しているだろうか。

大昔から言われていたこと、「もっと考えよう」 。トレーニングと実験を繰り返そう。

執筆:宮川 雅明

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