正しい目標管理(15)目標設定に関するQ&A #2

前回に引き続き、目標設定に関するQ&Aを扱います。質問は、「多忙な業務の中で、目標管理をきちんと実施するにはどうしたらよいか」という内容でした。そして、3つのポイントがあるとお話ししました。

1つ目のポイントは前回説明しましたので、今回は2つ目と3つ目のポイントを説明します。

2.管理職の負担感を軽減する

「管理職の負担感を軽減する」には、マネジメント活動をタイプ別に見直し、メリハリを作ることを考えると良いのです。マネジメント活動にはさまざまな活動形態があります。それぞれの活動形態で質・量の視点があり、

A. 高めたい
B. 今のままでよい
C. 質を落としたい(量を減らしたい)

または効率化余地・具体的なアイデアの3つのタイプを考えます。

たとえば、会議・打ち合わせが多い(時間が長い)ことがあります。原因としては、

● 会議内で悩んでしまっている
● 議題をあげた人に結論がない
● まとまりがない

などがあります。このような場合、考えられる効率化余地として、

● 会議は意思決定の場だと決める

つまり、事前資料を準備(結論も記載する)し、会議では根拠などを説明し判断をする、といった場に変更をするというようなことが考えられます。

それ以外に負担増となっている事項としては、

● 部下との面談
● 資料探し(何かを確認する際の根拠となる情報)
● 資料判読(わかりにくい資料、たとえば外国語の資料、専門性の高い資料の理解)
● 資料作成
● 電話・メール・来客応対
● その他(訪問、立会、移動)

などがあるでしょう。それらのうち、ご自身が、一番問題だと感じている事項を選び、

1)質・量をどうするべきか。
2)考えられる効率化余地:わずらわしい、無駄、問題と感じられる事柄はなにか。
3)考えられる効率化・アイデアがないか。

について、考えてみます。このような検討を実際にやってみると、部門によって異なるものです。

ただし、部門に共通して多いのは、「部署としての情報が蓄積されていない、結果、担当がいなくなると業務が回らない。」ということがあります。これについては、メールのグループアカウントをつくり、部署として情報の蓄積をする、ということも可能です。また、資料作成・資料判読については、ルール化する(文章の記載事項・順番、フォーマットなど)という対策があります。コンサルティング・ファームではたいていこのようなルール化がなされています。

3.部下の負担感をも軽減する

「部下の負担感を軽減する」には、職場の業務全体を効率化します。ただし、業務の効率化といっても、やみくもに効率化してしまうと、かえって費用が増大する場合があるので注意が必要です。

業務を削減する際の原則としては、次の3つがあげられます。

1)重要度の低い業務、つまり、付加価値を生んでいない業務を見つけてやめること。
まずは付加価値を生む仕事かどうかからチェックします。その仕事は「顧客にとって価値が高いかというY軸」とその仕事は「効率よく進められているかというX軸」で業務分析マトリクスを作ります。

A. 両方ともYesと言える業務=「現状維持」
B. 顧客にとって価値は高いが効率性に問題がある業務=「改善して効率を高める」
C. 顧客にとって価値は低いが、効率よく進められている業務=「必要性を判断した上で費用がかからないようにする」
D. 顧客にとって価値が低く、しかも効率よく進められていない業務=「廃止する」

というように設定します。

高橋宏誠_2019-03#1「正しい目標管理⑮」.png

2)どの予算を削れるかという検討を数字の上でしないこと。
予算項目で削減項目を決めてしまうと、会社の業務が回らなくなる恐れがあります。たとえば、本来ならタクシーを使うべきところを歩くことにしてしまい、その結果、回れる会社の数が減ってしまい、経費を削減することで売上も伸び悩んでいる会社があります。

3)〇〇費用と書いてあったら、投資と読み変えること。
費用とすると、支出するもの必要なものというイメージになって、何でも通ってしまいがちです。投資と読み替えて、どんなリターンやメリットがあるかを考えます。

なお、効率化には、いくつか視点があります。これについては次回ご説明します。

執筆:髙橋 宏誠

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