正しい目標管理(11)目標設定のフォロー #3

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  • 髙橋宏誠

2019年01月01日

私のコラムを読んでくださっている皆様、あけましておめでとうございます。 
今年もよろしくお願いいたします。

さて、前回、課長の役割と一般社員の役割の大きな違いは、人に仕事をしてもらうことだと述べました。部下に期待通りに仕事をしてもらうためには、「1)正しく部下を理解すること」、「2)課長への転換点の特徴を認識すること」だとし、それにより、経営的な視点を獲得していく必要があると述べました。今回は、その具体的内容についてみていきます。

一般社員から課長になる際、その役割には一般的に以下に示されるような質的な変化があります。スキル、タイムマネジメント、そして職務意識の三つの切り口から説明します。

17.一般社員から課長になる時の質的な変化

1.スキル
1)一般社員に求められるスキルとしては、技術または専門的な習熟度、チームプレー、自分の利益・成果のための関係構築、会社のツール、プロセス、手続きを理解することなどでしょう。
2)課長に求められるスキルとしては、① 計画管理:課としての目標設定、業績管理(業務のモニタリング、コーチングとフィードバック)、人事管理(部下の業績評価、部下の動機づけ)、予算管理、スケジュール管理、リスク管理 ② 業務設計(フロー、ツールの作成・運用を含む)と権限委譲③ コミュニケーションと雰囲気づくり④ 課の利益のための他部門との関係構築、⑤ 経営資源の獲得などがあります。

2.タイムマネジメント
1)一般社員に求められるタイムマネジメントとしては、日常的規律を守る、自分で設定したプロジェクトの期日を守るなどでしょう。
2)課長に求められるタイムマネジメントとしては、① 年次計画:予算、プロジェクト、② 部下のために時間を使うこと、③ 課と部下のために優先順位をつけること、④他部門、顧客、納入業者らとのコミュニケーションの時間をとることなどがあります。

3.職務意識
1)一般社員に求められる職務意識としては、自分の専門性を通じて成果を出すこと、質の高い技術的専門的仕事をすること*、会社の理念を受け入れることなどでしょう。
2)課長に求められる職務意識としては、① 直属部下の成功を支援しつつ部下を通じて成果を生み出すこと、② 管理業務と規律の維持が主たる仕事であること、③ 組織としての成功を達成すること、④ 管理職としての意識、⑤ 誠実さなどがあります。

注:* 課長になると、劇的に減少したり、なくなったりする項目

一般的には、下線のところができていないことが多いと思います。つまり、「スキル:業務設計と権限委譲、コミュニケーションと雰囲気づくり、他部門との関係構築」、「タイムマネジメント:課と部下の為に優先順位をつけること」、そして「職務意識:直属部下の成功を支援しつつ人を通じて成果を生み出すこと」などです。

以上の質的な変化に関しては、3つのポイントに要約することができます。

● ポイント1:仕事の定義とアサインメント
内容としては職務設計と役割分担ないし権限委譲です。
① 職務設計
職務の内容とその単位を設定することです。
② 権限委譲
活動を誰に任せるかということです。

● ポイント2:部下に対する指導・支援
一般社員が「上司が仕事上、あまり力になってくれない」と困惑している場合、課長は重要なスキルや職務意識を習得していない可能性が高いといえます。その場合によく見られる兆しは以下の通りです。
① 部下からの質問を煩わしいと感じる。
② 部下が適切に仕事ができるように指導するのではなく、部下の間違いを自ら修正しようとしてしまう。
③ 部下の成功に関知せず、部下の問題点や失敗から距離をおこうとする。

部下の力になるとは、部下に注意を払い、話を聞くことです。たとえば、業務を効率的に行うために何をしたか、プロセスを容易にするにはどうしたらよいかを尋ねることです。その際、一般社員の時にはほとんど意識したことのない、シンプルで大切なスキルは、部下が相談しやすい雰囲気をつくることです。話しかけやすいことこそが課長としての役割に欠かせないと心から思った時に初めて、そういう雰囲気を作ることができます。皆さんはどうお考えでしょうか?3番目のポイントは次回ご説明します。

執筆:髙橋 宏誠

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