正しい目標管理(13)部下への指導と支援

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  • 髙橋宏誠

2019年02月05日

18.部下への指導と支援

「人に仕事をしてもらう」ためには、部下への指導・支援を行う必要があります。指導・支援には、次の通り、4つの領域があります。

1つ目は、指導です。これは、指示命令の必要性が高く、しかも支援の必要性が高い場合です。
2つ目は、コーチングです。これは、指示命令の必要性は高いものの、支援の必要性はあまり高くない場合です。
3つ目は、カウンセリングです。これは指示命令の必要性はないものの、支援の必要性が高い場合です。
4つ目は、権限移譲です。これは、指示命令の必要性も支援の必要性もない場合です。OJTに始まり、コーチング、カウンセリング(相談)、権限委譲の順序で行っていくのが原則です。

以下、其々について説明します。

1.指導
部下の目標達成のための能力が不十分な場合はこの指導から入っていきます。これはどのようにやればよいかを「見せる」というのが中心です。先輩が後輩を指導していくことが多いでしょう。一般的には、「見せる」ではなく、「解説する」になっています。その違いは、例えば、ある人の顔の説明で、目が大きく、顔が長いなどと解説しても、その人に道で会っても気づかないでしょう、それよりは本人の写真を見せる方が効果的です。能力開発の「見せる」も、現場を見せる方が丁寧に解説するより効果的なものです。

2.コーチング
相手の話をよく聴き(傾聴)、感じたことを伝えて承認し、質問することで、自発的な行動を促すことです。指導の場面で十分に見せた次に、「やってもらう」場を作って行動してもらうというものです。ただし、「やってもらう」というのは、「ほおっておく」になりがちなため、注意が必要です。「やっておいて」と言ったのに、部下がやらなかったというのは、「ほおっておいた」というのと同じです。この「やってもらう」場面には、以下の3つの条件が必要です。

1)チャレンジングな場面であること(簡単な場面だと能力が伸びないからです)
2)フォロー体制が整った場面であること(失敗しても、本人にそれほど大きな心理的負担にならないように、もちろん、会社に損害を与えないようにします)
3)やらざるを得ない場面であること(資料を作成してもらう、だけでなく、いついつに〇〇で発表してもらうという条件をつけておくことです)

3.カウンセリング(相談)
成果イメージを課題として与え、その達成のためにあらゆる手段を自分で考えながら取り組んでもらいますが、何かあったときに相談に乗ることです。(目標設定の援助そのものです。より明確な目標を意識させることで、目標達成をさらに効率化することでもあります。もちろん、その過程で本人の力だけではできない部分や相談があればそれに対応します)

4.権限委譲
後程のべますが、能力開発には4つのポイントがあります。このうち、「動機」の部分が重要です。権限委譲とは、要は「すべてを任せて放っておく」ということになりますが、ただ、「ほおっておく」のではなく、どんな場面でも部下が主体的に成果を生み出す行動を起こすように巧みに動機づけていくことが求められます。
 
ここまで部下の能力を高めていけば、後は信頼して部下に任せることができ、部下の方も常に目標を標準以上に達成していけるようになります。
 
次回以降は、目標設定に関する課長の役割に関してよく受ける質問のQ&Aとしたいと思います。

1つ目は、目標を「押し付け」としないための注意点は何かという質問です。
2つ目は、多忙な業務の中で、目標管理をきちんと実施するにはどうしたらよいかという質問です。
3つ目は、多人数の部下を相手に目標管理を進めるにはどうしたらよいかと言う質問です。

以上の3つの質問への回答をぜひ考えてみてください。

執筆:髙橋 宏誠

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