正しい目標管理(9)目標設定のフォロー-1

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  • 髙橋宏誠

2018年12月04日

日本企業ではたいてい目標設定の研修は行われていますが、そのフォローであるとか、そもそもマネジメントとは具体的に何をすることかについて研修が行われ ている企業は少ないように思います。しかしながら、正しい目標管理、つまり、グローバルスタンダードの目標管理とはマネジメントそのものですから、そのマネジメントの中身自体がしっかり理解されていなければ、目標管理自体が上手くいくはずがありません。このことに気づいている経営者からは、マネジメント自体についての研修もやってほしいという依頼を受けることがあります。

そこで、私は、目標設定のフォローと言う形で、グローバルスタンダードのマネジメントのしくみとして「リーダーシップ・パイプライン・モデル」を紹介し、マネジメントの内容についても研修を実施しています。リーダシップ・パイプライン・モデルとは、一言で言えば、リーダーシップをそれぞれの役職でとらえる考え方です。詳しくは、ラム・チャラン他著「リーダーを育てる会社つぶす会社 人材育成の方程式」(英治出版)をご覧ください。以下、同書をベースとして説明します。

13.グローバルスタンダードによる人材育成の概要

1)背景
今日、企業の競争力を左右する重要課題として、人材の有効活用が注目されています。環境変化への迅速な対応が求められる中で、社員がリーダーシップをもち、潜在能力を発揮することがますます求められるようになっています。しかしながら、実際には優秀な人材がいるにもかかわらず、その能力を十分に発揮できるような環境や、リーダーとして成長する機会が与えられていないことが多いように思われます。

それでは、有能なリーダーが育つにはどうすればよいのか、その一つの解となるのが、「リーダーシップ・パイプライン・モデル」です。これはリーダーの育成に役立つフレームワークであり、人材育成の面で高い評価を受けているアメリカのGEなど、多くの多国籍企業で実際に用いられているモデルです。いわば、人材育成の考え方のグローバルスタンダードといって良いでしょう。
 
日本企業でも、海外との取引があり、グローバルな展開を目指している場合は、グローバルスタンダードの経営スキルを取り入れることを経営方針の一つとされていることでしょう。そうなると、管理職研修も、グローバル企業が展開している考え方、すなわち、人と組織に関するしくみとして世界最高のものをできる限り導入していく必要があるのではないでしょうか。

2)リーダーシップ・パイプライン・モデルの概要
まずは、役職ごとに求められるリーダーシップを明らかにします。我々はリーダーシップというと、とかく一括りで捉えがちです。しかし、主任には主任の、課長には課長の、部長には部長の果たすべき役割があり、それを行うための要件は当然異なってきます。つまり、役職ごとに、要求されるスキルも、時間の使い方も、意識の持ち方も違うということです。

そして、リーダーとしての成長の道筋を示します。主任から課長へ、課長から部長へというステップを着実に歩んでいくことが、リーダーとして成長していく上で大切であり、ステップを飛ばすことはできるだけ避けた方がよいのです。
 
リーダーを輩出するにあたっては、企業に存在する職務上のピラミッドを理解することが必要です。グローバルに活躍しているような規模の大きい企業では、ピラミッドは通常、下図のように6つのキャリアの転換点から構成されます。

● 第一転換点:一般社員~主任
● 第二転換点:主任~課長
● 第三転換点:課長~部長 
● 第四転換点:部長~事業部長
● 第五転換点:事業部長~事業統括役員
● 第六転換点:事業統括役員~経営責任者

管理職は各転換点において新しいマネジメント方法を身に着け、次の三つの職務要件を習得します。

① スキル:新しい責務を全うするために必要な能力
② 業務時間配分:どのように働くかを規定する新しい時間枠
③ 職務意識:重要性を認め、注力すべきだと信じるべき事柄

以上のように、リーダーシップ・パイプライン・モデルは、リーダー育成の視点からキャリアの転換点毎のあるべき役割と職務要件を明確にしたものです。

次回は、課長に求められる役割と職務要件を具体的に説明します。

『リーダーを育てる会社 つぶす会社』
ラム・チャラン、ステファン・ドロッター、ジェームズ・ノエル(著)
グロービス・マネジメント・インスティテュート(翻訳)
出版社: 英治出版
言語: 日本語
ISBN-10: 4901234471
ISBN-13: 978-4901234474
発売日: 2004/4/5

執筆:髙橋 宏誠

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