営業にとっての強力な味方―「紹介」を実現するためには

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2019年01月16日

■ 紹介者同士にメリットがある状態に

セールスプロセスを始めやすくする1つの方法が紹介獲得です。野球に例えると、「打席数を増やす」ような活動であり、確率的には打席数に応じてヒット率もあがる可能性が高まります。営業の場合ではとくに、新規リストに直接コンタクトをする場合と紹介で会う場合とでは、相手の受け入れ方が随分変わってきます。新規の場合は売り込みをされるんじゃないかという警戒心が先に立つことがほとんどですが、紹介は紹介者を介して信頼がある前提で始められますので、話を聞いてもらいやすくなるのです。業界によっては紹介をしてくれるキーマン10人をつくれば営業が十分回るといわれているほど、紹介が得られる関係性をもてたら大きな強みとなります。

ただし、紹介を受ける側が考えなければならないことがあります。たとえば「自分(営業担当者)―契約者Aさん―紹介者Bさん」というように、AさんがBさんを紹介してくれた状態にあるとします。ここで意識したいのは、AさんにもBさんにもそれぞれのメリットがある状態にできるかです。もちろん、紹介料のような金銭的報酬がAさんに入る仕組みの場合もあります。それも1つのメリットですが、ここでは金銭的報酬以外を考えます。

この紹介によってAさんとBさんの関係がこじれてしまっては何の意味もありません。一方でBさんがAさんに、紹介してもらったことを感謝してくれたとしたら、Aさんは役に立ったという貢献感を得ることができ、Bさんは紹介してもらった内容への満足を得られ、双方とも心理的な満足度が高まることになります。さらに自分の営業成績もあがれば「三方良し」です。このような「言葉の報酬」が生まれる形は、紹介営業で目指したい姿です。こうなるとAさんは、また次の人を紹介しようという気持ちになるかもしれません。

■ 「誰か紹介してください」はNG
 
ここで注意したいのは、どうやって紹介をお願いするかです。交流会や名刺交換会で「誰か紹介してくださいよ」と言っている人をよく見かけますが、それでは実は、誰からも紹介が進みません。具体的にどういう人を紹介してほしいかを伝えないと、その場限りの会話で終わってしまいます。

人の頭の中は90%が潜在意識下にあり、顕在化している情報はわずかです。紹介できそうな人を知っていたとしても、普段顕在化していないので「誰か・・・」と言われただけではまったくヒットしません。

しかし、もし「40代の輸送業の社長さんを」や「これから留学する予定で英語を勉強したい人を」などと具体的に提示すると、「そういう知り合いいたかなぁ」と潜在意識化にある情報を探しに脳が動きます。紹介は、相手が「探そう」と思ってくれないとそもそも始まりません。その「探そう」という行動は、具体的に探すものがイメージされるところから動き出すのです。

ここまで来たら「紹介者がいるかどうか探す」という意識で動いているため、該当する人がいたら「見つかったから紹介しよう」という行動に置き換わります。紹介する相手との信頼関係ができていればいるほど、そこはスムーズに連絡をもらえるようになるはずです。

【ポイント】
紹介をきっかけにした営業を実現するために・・・
1.具体的ケースをちゃんと出して対象をあぶり出す
2.関係者「三方良し」のメリットがもてる状態をつくる

執筆:株式会社SRプランニング 代表取締役 /
合同会社わいびっと 代表 /
経営コンサルタント 森田 哲

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