女性管理職(リーダー)を登用するメリットと育成の課題

ダイバーシティ 女性活躍 組織づくり

平均6.6%。これは、帝国データバンクが2016年にまとめた「女性登用に対する企業の意識調査」における女性管理職の平均割合です。前年に比べ上昇はしているものの、そのポイントはわずか0.2%です。女性管理職の活躍がめざましいとは、まだ言えない状況が続いています。そこで今回は、女性社員を管理職へ登用することのメリットを3つまとめました。合わせて、育成時の課題についてもご紹介します。

■ メリット1

1.女性ならではのコミュニケーション能力
女性管理職登用のメリットとして最もよく挙げられるものが、コミュニケーション能力です。対外的な交渉・対応はもちろん、管理職(リーダー)としてのスキルとしても大きな役割を果たしてくれると考えられます。一般的に、女性には男性が持っていない観察力が備わっていると言われています。部下の仕事の状況だけではなく、メンタルへの気遣いができる点は大きな武器です。また、部署内で起こっている問題の把握にもつながるでしょう。

2.調整型マネジメントにも期待
男性の管理職に多いパターンが、リーダーシップ型のマネジメントです。強い牽引力で、部下を引っ張ることで成果を上げようとするため、体育会系のチームになりがちという側面を抱えています。正しい方向に統率が取れていればパワフルに稼働できますが、一歩間違えるとチームが間違った方向へと進んでしまい、空中分解を引き起こす可能性もあります。一方で、適度な強度のチームワークが形成されやすい女性管理職の登用は、メンバーそれぞれが距離感の人間関係を保ち、ゆるやかに結束することで目標を達成していくことが特徴です。

■ メリット2

1.社内全体の意識改革
お手本となる女性管理職がいると、目指すべき対象が近くにいるために目標を立てやすくなります。そのため、同じ会社で働く女性社員は、日々の仕事にやりがいを持てるようになるでしょう。キャリア志向の強い方であれば、自身の将来のビジョンとして先輩の女性管理職を重ねます。このことからも、女性社員の活躍は会社への大きな利益につながります。

2.相談のしやすい環境の構築にも効果あり
女性社員の中には、男性の上司へ職場での人間関係やプライベートに関わる悩みを打ち明けにくいと感じる方もいます。そのため、つい胸の中に起こっている問題を抱え込み、そのまま放置してしまうケースも少なくありません。その点、女性管理職の場合は、女同士だからということで気軽に相談ができるようになります。管理職側としても、気軽に相談をしてくれることで部下の状況を把握したり、部内で起こっているトラブルを察知したりできるため、マネジメント上大いに役立つでしょう。

■ メリット3

1.多様性を持った組織の構築
多様化するニーズやビジネス環境に対応するためには、すべての社員に同じ価値観を持たせていては不都合です。あえてそれぞれの違いを尊重することが、現代の正しいアプローチといえるでしょう。この手法を、ダイバーシティー・マネジメントと呼びます。ダイバーシティー・マネジメントにおいては、性別や年齢、国籍などの違いだけでなく、生い立ちや価値観、性格なども考慮の対象です。女性管理職の採用は、まさにこの考えの実践といえます。

2.古い習慣が組織を弱体化させる?
「女性の管理職は作らない」「うちは大卒しか採らない」などの、企業体制は衰退方向にあります。本来重視すべき個性を見ないまま採用を行うと、優秀な人材が集まらない可能性もあるでしょう。女性管理職の登用は、古い習慣を覆し、組織を強化する第一歩ともいえます。

■ 女性管理職育成の課題

女性管理職の登用には多くのメリットがありますが、一方では育成時の課題も考えられます。代表的なものを見ていきましょう。

1.管理職希望の人材探し
まず、ぶつかる課題は人材探しです。特に、現在の管理職が男性ばかりという企業の場合は、理想となるモデルが少ないため、誰を管理職として登用すべきかで迷ってしまいがちでしょう。女性社員の特性を把握できていたとしても、果たして管理職になったときにどのような活躍ができるか予想を立てにくいのです。さらに、結婚や妊娠などライフステージの変化が要因となり、管理職を希望する女性社員が少ない傾向にあります。会社は希望者の中から女性管理職の選任を行わなくてはならないため、スキル・経験を考慮した登用が難しくなります。

2.男性社員からの理解
現代でも男性社員の中には、女性管理職に対して苦手意識を持つ人がゼロとはいい切れません。そのため、女性管理職の育成に対して非協力的になるケースも実際には起こりえます。これを回避するためには、経営陣が先陣に立って女性管理職の育成をサポートし、歓迎する社風を社内に広めていくことが重要です。

男女雇用機会均等法が成立してから約30年たちましたが、海外に比べると、まだまだ日本では女性の管理職登用は進んでいない現状にあります。今回ご紹介した内容を参考に、ぜひ女性管理職登用への取り組みを強化し、多様性のある組織の構築を進めてはいかがでしょうか。