生産性向上・改革

問題背景と課題本質

システム化ありきでの生産性向上は、成功するとは限らない

日本の政府が最重要課題の一つとして強く推進している「働き方改革」。そのなかでも特に話題になることが多いのが「生産性向上」です。国の重要政策として取り組まれていることもあり、生産性向上を推し進める企業が増加している一方で、生産性向上についての理解の浅さゆえに、生産性向上に正しく取り組めていない企業も多いのが現状です。

特に日本では、「生産性の向上=システム化の推進」という考え方が強く、システムの導入により、生産性向上を実現しようとする企業が多数見受けられます。ここに問題の本質があります。ITをはじめ、システムやエンジニアリングというものはあくまで手段です。「業務改善の8原則」に則れば、システム導入による生産性向上は最後に検討すべき事項になります。

安易にシステム化を進めることで発生する問題点を挙げてみましょう。たとえば生産性向上に取り組むにあたって、他社システムを導入したとします。他社システムはパッケージ化されていることが多く、自社に不要な機能も包含している場合が多いため、使用していない機能にも対価を支払うことになります。また、そのシステムを熟知している一部の人しか使いこなすことができないということもあるでしょう。システムに詳しくない人が関わらなければならない際は、大きな工数を要するでしょう。このように、生産性向上をうたいながら、実際はコストや工数が膨らんでしまうのです。

生産性向上を推進するにあたり、まず取り組むべきは、システム化ではなく、既存業務で「廃止・削減」できるものがないかを検討することです。そうして本当にやるべき業務を明確にしてから、その業務のなかでシステム化を推進します。それにより、初めて生産性向上は実現できるのです。

解決と効果

生産性向上を実現するには、業務の目的を明確化することが重要

既述の通り、生産性向上の大前提は「廃止・削減」です。よって生産性向上を推進するためには、現在行っている業務が本当に必要な業務なのかどうかということをしっかり検討することが重要です。検討にあたっては、業務の目的を明確にし、その目的を基準として、各業務を実施する意味があるのかどうかを検討します。

また、当初はその業務を実施する意味があったとしても、今後の事業環境の変化や事業の衰退などにより、その業務を推進する意味がなくなる可能性があります。継続的に生産性を向上させていくには、業務の目的の明確化という作業を定期的に実施するとよいでしょう。不要な業務が判明した場合は、これまで取り組んできたからといって漫然と継続するようなことはせず、業務の目的を議論したうえで躊躇することなく「廃止・削減」を実施しましょう。

なお、生産性向上の取り組みの効果として最も大きなものが、生産性を上げることで捻出した余剰時間やリソースを新規事業や新しい取り組みに投じることです。そして、どのような業務に取り組む際にも、徹底的に業務の目的を考えることが必要です。すると、組織の文化自体が変わってきます。既存業務の廃止や削減には大きな痛みを伴います。こういった痛みが発生しないように、無駄なことは最初から行わず、目的に合致する仕事、本当に価値のある仕事をしようという風土が根づく組織づくりを目指したいものです。

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