戦略財務・事業継承

問題背景と課題本質

外部環境が厳しさを増す現在、戦略財務への理解が不可欠

戦略財務とは、企業が事業を推進・拡大していくための、財務的な視点から見た経営戦略です。「CFO(Chief Financial Officer)=最高財務責任者」という言葉を最近よく耳にするように、戦略財務は近年非常に重要な考え方であり、戦略財務なくして経営戦略は立案できないとさえ言われています。この戦略財務というカテゴリが注目を浴びるようになった要因の一つは、資金調達の方法が多様化したことにあります。

「資金調達は銀行から」というかつての図式が崩れた現在、企業が資金を調達する方法は、クラウドファンディング、投資ファンド、ベンチャーキャピタル、個人投資家などさまざまなものがあります。また銀行から融資を受ける際でも、以前は難しかった「事業計画案を担保にする」といったことも可能になってきました。このように金融がダイナミックになりつつある時代だからこそ、財務活動を戦略的に展開していくことが重要なのです。

また、この戦略財務について考えるうえで、昨今は「事業継承」に関する正しい理解が必要不可欠です。ここでいう事業継承とは、他の企業とのM&Aによって会社または事業を継承するということです。事業継承の際に必ず行われるのがデューデリジェンスで、これにより、売買対象となる企業や事業の価値を評価します。現在の価値だけでなく、10年後にどういったキャッシュフローを生み出すかといった将来価値についても評価します。財務とは、過去の経営の結果を示す「会計」とは異なり、「会計によって作られた過去の情報から将来を予測するために使われるもの」のため、現在価値だけでなく将来価値も重要視する事業継承は戦略財務と強い関連性があり、戦略財務を推し進める際の一手段でもあるのです。

外部環境が厳しさを増すなか、淘汰の激しい現代においては、戦略財務についての理解が不足していては企業が生き延びることはできないといっても過言ではありません。

解決と効果

戦略財務はもはやビジネスパーソンのポータブルスキルである

IT技術の発展による情報化社会の進展により、さまざまな専門知識がコモディティ化しつつあると言われる昨今、財務に関する知識も例外ではありません。どのような職種であっても財務についての知識は持っているべきであり、もはやビジネスパーソンのポータブルスキルといってもよいものです。財務的な知見がなければマネジメントはできないため、管理職にとって財務の知識は必須要件とも言われています。

また、戦略財務と関連性の強い事業継承については、「会社の経営を後継者に引き継ぐこと」と思われる場合が多いのですが、現在の事業継承が意味するところは「M&A」であることがほとんどです。また従来のM&Aでは企業をまるごと売買することが多かったのですが、昨今は事業単位で取引することも頻繁にあります。M&Aの目的自体も以前と比較して多様化しています。ただ単純に他社の事業や機能を獲得するというだけではなく、自社の事業と組み合わせることでより高いシナジーを生み出すことを目的としていたり、ライバル企業の参入障壁を構築するためであったり、販売チャネルを獲得することでビジネスのスピードアップを実現することを目指していたりと、その目的は実に多種多様です。どのような効果があるかが評価されるのです。

戦略財務が重要視される現代。財務に関する知識は言うまでもありませんが、戦略財務の一環ともいえる事業継承への理解もまた、経営戦略を実現するうえで重要な要素なのです。

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