ブランディング戦略

問題背景と課題本質

すぐに真似され陳腐化を招く時代には、オリジナリティーやアート性に価値が

ブランド価値というものは、長らく、競争優位のカギとされてきました。1974年にロンドンで設立されたインターブランド社は、世界最大のブランド格付け会社であり、ブランドを常に変化する事業資産と定義してその価値を金額換算し、戦略を支援してきました。日本企業では、トヨタ、ニンテンドー、ソニーが格付けのトップ100に入ります。

似ている商品を扱う場合には、特にブランドやストーリーの付加価値といった「目に見えない資産」が差別化として有効になります。消費者に多数の商品の中から選ばれることを可能とし、時にはその価格差の中身が明確でなかったとしても、むしろ高額なものがブランド価値によって選ばれる、といったこともあります。

一方で現代は、あらゆる製品・サービスがすぐに真似されてしまう時代です。インターネットの普及で情報速度が増し、製品化のプロセスもテクノロジーによって短縮化していることなどが背景にありますが、それは商品のコモディティー化、つまり付加価値の陳腐化をもたらしやすくしています。

また、個々人の価値も多様化し、消費者も多様化している時代です。洗練された消費者には、品質が優れているだけでは必ずしも消費者は興味をもちません。他社には真似できないオリジナリティーや抜きん出た信頼性、高揚感などの心理的便益をもたらすアート性といったものが求められます。「真似できない」ものであることは、今日のブランディング戦略における最重要項目といえます。

解決と効果

リスクをとってカテゴリーを開拓し、第1ブランドの地位を獲得する

ブランドを創る時に大切な要素は2つあります。

1つ目は「カテゴリー・ファースト」。戦略的に新しいカテゴリーを創ることです。「バンドエイド」「宅急便」「コカコーラ」、これらは特定の商品名ですが、多くの消費者にとって、そのカテゴリーの製品の総称のように語られることが少なくありません。なぜならば、新しいカテゴリーを生み出し、その領域にいち早く製品を投入しているからです。そして、認知・信頼を経て、市場に第一ブランドとしての定番の地位を確立しています。

“Winner takes all.”と言われるように、リスクをとってカテゴリーを開拓し、ブランドを定着させることが、その後の競争における優位のカギとなります。新たに生まれたカテゴリーにおいては、その領域でブランドという地位を確保できるのは最大でも5社程度であり、シェアを多く獲得できるのはせいぜい2~3社。マーケットリーダーが圧倒的に優位であり、チャレンジャー・フォロワーなど後発組になるほど、不利な戦いを強いられることになるでしょう。チャレンジして「カテゴリーを創る」ことが「ブランド力」を裏打ちし、その市場を押さえる力となるのです。

2つ目は自社発信ではなくても「口コミ」などの他者評価を形成、顕在化させて、ブランドに匹敵するような、商品の信頼性や価値の証明とすることです。消費者は身近な口コミを信頼するので、SNSなどネット世界のコミュニケーションを活用して、他者評価をコントロールすることも有効です。

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