【人事マネジメント】研修を通じて社員自らが人事制度を創る

会社の業態:業務システムの開発及び保守・運用等
会社の規模:従業員500人~1,000人未満
ご担当者:経営企画部及び人事部取締役様

研修を通じて社員自らが人事制度を創る

当社は創業約50年を迎えたシステム開発・運用の老舗企業です。取り扱う事業領域は複数にまたがっており、業務特性が大きく異なっていることが、人事評価を複雑なものにしていました。経営層が従業員500人の能力を見るのにも限界があります。よりシンプルに成果を評価でき、なおかつ組織活性化につながる人事制度を設計したいと相談したところ、「研修によって人事制度を創り出す」という組織開発型のアプローチをご提案いただきました。

 課題・背景 

■ 約30年間のつぎはぎ人事制度で、成果が評価されない

約30年前の人事制度に大きく手を入れることなく、問題があればその都度対処してきた結果、評価・報酬制度にほころびが生じていました。例えば、中途採用者に当社規定より高い待遇を保証したり、地方出身者の社員にのみ住宅手当を支給する......悪い施策ではないのですが、個々人への配慮が行き過ぎて成果が報酬に反映されづらくなっていました。

また部署間の相互理解が不十分で「あの部署は楽な仕事で給料をもらっている」という不公平感が広がり、士気が下がるなどの悪影響も見られていました。
 
残念ながら当社の人事部門は給与計算などが主で、人材マネジメントのスキルはありません。一度外部の人事コンサルタントに制度設計を依頼したものの、既存の制度を単に整理しただけ。求めているのは、組織全体を活気づけるソリューションです。そこで専門家にプロジェクトアドバイザーとして参画していただきながら、組織開発型の研修を通じて「社員自らが人事制度を創る」方式に挑戦することを決めました。

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 提案プロセス・実施施策 

■ 社内で問題意識を醸成し、改革の下地をつくる

まずは着手したのは、社員自身に課題意識を持たせることです。グループインタビューや全社員向けのアンケートを実施して、現場の声を吸い上げるプロセスを設けました。この過程で、人事制度などへの課題意識が醸成され、解決の方向性がクリアになっていく手応えを感じましたね。同時に経営層は、目指すべき人材ビジョンを明確化。ここまで環境を整えた後、主要3制度であるキャリア制度、評価制度、報酬制度を新設するための研修へ踏み出しました。研修では、各事業部の各層代表を集めて平均週1回のワークショップを実施。人材マネジメントの知見がない社員たちは、当初は他人事のような意識でしたが、「キャリアとは何か」「会社の課題とは」など根本的な問いを突きつけられるうちに、人事制度の意味や効果その重要性に次第に気づき始め、終盤に議論の質は目に見えて変化しました。普段は交流のない部署同士が意見を交わすことで、会社全体の成長を考えるきっかけにもなったと思います。

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 成果 

■ 人事評価を"公開"し、現場主体で運用する意欲的な新制度

約8か月のワークショップや経営層とのディスカッションを経て、主要3制度が完成しました。新制度では、経営層や人事は一切評価にタッチしません。部門長が社員の取り組みを評価し、しかも結果は社内に公開して、集まった意見を評価にフィードバックする。つまり現場主体で運用する人事制度を導入したのです。

前例のない仕組みを取り入れるわけですから、社員の理解と共感を得られるようコミュニケーションを徹底しました。社員向け説明会はプロジェクトの進捗に合わせて随時開催し、できるだけ全社員が参加できるように丁寧に進めることも心がけたポイントです。

当初は研修を通じて人事制度を設計できるか心配でしたが、専門家のリードによって透明性の高い制度を創ることができたと思います。また社内交流が活発になり、自分たちの手で会社をよくするための仕組みを作っているという参画意識、成果意識も芽生えてきました。まさにこれが組織開発型の成果だったなと感じています。

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 参加者の声 

「通常業務に加えての研修は正直に言って大変でした。当初は人事制度にはあまり興味がなく、むしろ良い機会があれば転職でもしようと思っていたんです。けれどワークショップを通じて会社を良くしたいという真摯な思いに触発されました。管理職としての立場を再認識することも多かったですね。事業部間の温度差もあり、コンセンサスを得るのは大変でしたが、多くの学びを得ました。将来に向かってどんなインフラを構築すべきなのか、今は本気で考えています。」(開発系エンジニア 入社14年)

 この事例で取り入れた研修メニュー 

#マネジメント論 #オーセンティックリーダーシップやEQなどのリーダーシップ論 #組織文化診断 #コーポレートメトリクス #組織論

 キーワード 

#人材マネジメント #ソリューション #ワークショップ #組織開発

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