【新規事業創出】プロジェクトの最初の一歩、「気づきを促す」

会社の業態:バッグ・靴のケア用品販売、修理、クリーニング店のチェーン展開
会社の規模:従業員1,000人以上
ご担当者:本社 人事部 部長様

研修は目的達成のひとつの手段、手段は目的に応じて柔軟に選択する

フランチャイズによる小売業を展開している当社ですが、コンビニエンスストアのようなドミナント戦略ができるような多店舗展開ではなく、かといって大規模店舗のような店舗面積を持つ業態でもありません。各店舗がそれぞれ地域に寄り添い、地域に密着した経営をしながらも広域をカバーし、シナジーを出すような経営をしなければなりません。一方で、消費者のニーズも生活スタイルも常に変化し続ける環境にあっては、店舗による販売という形態固執することなく、多様な販売方法、販売形態、新たなサービスを常に模索しています。具体的には異業種、異業態とどのような“組み方”をして、いかにして新しい価値と新しい利便さを創造するかが問われているともいえます。

■課題・背景

現場発のアイデアや提案が実行されない

当社は提供する財についても、提供の仕方・サービスについても、常に新しさや利便性が期待される業態にあり、現場は常態的に人手不足と多忙さに悩まされています。本社直営の店長クラスの人材やエリアマネジャークラスの人材においても、部下や現場担当者のフォロー、あるいはクレーム対応などの緊急性の高い業務に追われています。そんな中で、これまでは現場発の新しいアイデアが提案されることもありましたが、会議の中で「誰がやるの?」「本当にできるの?」という雰囲気になり、結局うやむやにされて実行に移されないことがほとんどでした。また、新規事業をミッションとした部門が新設された年もありましたが、経営陣や社内の事業部からは、どうしても早期の業績貢献を求められてしまうので、なかなか成果を出せず、結局1年や2年で部門が無くなるという例が続いていました。

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■提案プロセス・実施施策

目的を遂げるための人材育成プログラム、目指すのは「新規事業創出」

新規事業をミッションとすると、どうしても短期的な業績貢献が求められるので、あくまでも「人材育成」として動き出すことにしました。具体的にはマネジャー候補人材に向けた「気づきを促す」研修プログラムを、人事部から経営陣に向けて企画・提案しました。

具体的でテクニカルなスキルの向上ではなく、あくまでも「気づきを促す」という目的がブレないように企画を固めて提案し、経営陣と合意形成をしました。そして、対象者として部門横断的に、各事業部、スタッフ部門から数年後のマネジャー候補人材を約15名選抜し、約2か月おきに1.5日、1年間のプログラムを実施しました。プログラムの概要は以下です。

① 現在の経営状態と、今後の市場・環境をマクロ的に捉え、考える機会の提供
② 新規事業、新規取組み、新しいコラボレーションの必然性理解の場
③ 異業種、異業態(他社)との意見交換会の実施(×8回)
④ 上記③の8か月の間に自主勉強会、自主企画検討会を促す
⑤ 最終報告会の実施
 
特に、上記③においては他社の同年代の方々とワークショップ形式で実施し、お互いの経営課題、事業課題、チーム・マネジメント課題、人材育成課題などについて意見交換しました。その中の数社とは、お互いに継続的に意見交換の場を設けたいという話になり、複数のワークショップを経た後、具体的な課題解決のアイデア出しや相互提案、コラボレーションした新規提案ということも行いました。

■成果

つながった人と人、提案の実行を研修外でフォロー

「気づきを促す」プロセスは、非常に大きいものがありました。他社とのワークショップにおいては、業種や業態は異なれども業務改善の課題、人材育成の課題、マネジメントの課題、ES・CSの課題などは共通点も多く、持ち帰って実務のソリューションにも結び付きました。

さらに、実質的な目的であった新規事業の創出や、それに結びつくであろう「新しいコト起こし」についても当初の期待を上回る成果でした。具体的には、他社の人材との繋がりによって個々人同士で連絡を取り合い、設定した研修日時以外でも自主的な意見交換や、自主企画検討が進みました。その結果として、試験的ですが新しい販売形態が始まったり、他社とのコラボ商品が生まれたり、共同のイベントが開催されたり、ということが行われました。

留意するべきことは、活動している人材は、本来業務を並行して進めていますので、心理的にも物理的にも負荷がかかります。それに対しては、上司への説明・了承を取り付けたり、多少の活動予算などを工面したり、というフォローを人事部側で行いました。

これらの成果を生み出すきっかけとして、社内でも本研修が注目を集めていますが、受講者のプレッシャーにならないように人事部でフォローしながら、本研修がプラットフォーム的に社内で活用されていけば良いなと考えています。

■参加者の声

「最初は、何をやったらいいのかピンとこなかったが、他社の同世代の方々に刺激されて、どんどんモチベーションがあがってきた。」(エリア直営店担当)

「他者との接点を持つことが出来たのは大きな財産。今は個人的なネットワークのレベルだが、組織への還元、組織のノウハウにもなると思う。」(顧客管理・システム部)

「新しいことを始めるのに、活用できる材料や場が沢山用意されているので、やらなきゃ損という気持ちになった。実際の業績的成果が出せるまでやり切りたい。」(マーケティング・企画部:8年目)

「研修という場だけでなく、普段の日常業務からも、こんなことができるような組織・風土になるのが、最終的な我が社の姿ではないかと思う。」(エリア直営店担当)

■キーワード

#課題解決 #新規事業 #イノベーション #気づき #異業種交流

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