【合併による組織再編支援】ES・CS調査結果に基づくメトリクスと風土醸成

会社の業態:システム会社
従業員:従業員1,000人以上
担当者:人事部 Way推進部長様

当社は、子会社同士が合併してできた会社です。同じグループ会社内に存在した開発系と保守メンテナンス系の会社がひとつのシステム会社となりました。グループ会社内でシナジーを生み出すことができることと、顧客にむけてワンストップでサービスを提供できるとの判断で合併が行われました。合併前から各々の会社の業績はある程度順調であり、合併には救済的な意味合いはありませんでした。また市場でカニバリゼーションを起こすことは少なく、むしろひとつの事業体となったことによってブランド力・影響力は向上したと捉えてよいと思っています。ただ、組織の規模が大きくなると、スピード感が不足することが予想されるため、顧客や市場の変化の激しさに対応し続けるスピード感をますます持たなければならないと思っています。

 課題 

■ 組織内のシナジー効果が出ていなかった

合併によって提供サービス的にシナジーが生まれたことは確かなのですが、組織内部においてはシナジーが生まれたとは言い難く、事業系はもとより企画系や経理や人事など多くの業務上の抜け漏れ、ダブり、手戻りが出てきました。ただ、最も大きな課題は業務上の抜け漏れ、ダブりそのものではなく、組織風土の違いだということに行き着きました。元々同じグループ会社だったとはいえ、組織風土はかなり異なっていました。もちろん合併に際して、新会社における新たなビジョンや中長期計画などの方向性を再構築し提示していたのですが、大げさに言えば業務やサービスに関する考え方、アプローチが異なっていたりするのです。さらに、合併当初は上位・幹部層はいわゆる"たすき掛け"人事が行われていましたこともあり、経営レベルにおいても2つの考え方が並走しているような状態でした。そんな有り様でしたので、現場レベルにおいても、特に前工程から後工程へ業務や仕事の受け渡しの際に、意図や目的がズレて進んでしまうことが散見され、結果的に大きな手戻りが発生するなど、システム上致命的な事態になってしまうこともありました。

 提案プロセス・実施施策 

■ ES・CS調査結果を成果指標に

講師・コンサルタントの提案のひとつは現状を正しく認識するというものでした。合併したという良い意味で「理由」ができたこともありこれを機会として活用し、全社でES調査とCS調査を実施しました。調査結果と講師による分析が、今回の提案となったわけなのですが、風土がひとつに統合されているという実感を個々で持つことができている部や課は、業績・成果が良いという明らかな相関がみられたのです。また顧客からの声も同様で、CS結果が高い組織は、業績・成果が良かったのです。これは私たち自身も薄々、感じていたことではありますが、数字として事実を突きつけられると非常に納得感がありました。

この調査を受けて、経営陣と人事とも協力し評価の指標を大きく変えました。特に管理職層以上の人事評価は本調査結果と連動(同期)させました。もともと管理職層以上は成果主義的な評価・運用がなされていましたが、今回の調査結果で、成果は調査結果と相関していることが判明したのですから、調査結果自体を成果指標にすればよいという結論です。

次に行ったことは、職場毎の意識改革です。管理職とその部下メンバーの「職場単位」で研修を実施展開しました。当事者意識の醸成のため、ES・CS調査をもとに、「なぜこうなったのか」「どうすればよいのか」「リーダーは何を掲げ、なにをしていくのか」「メンバーはどう貢献するのか」について、自分たちでとことん議論するというものです。したがって、研修とは呼ばずディスカッションミーティングという名称にし、講師をファシリテーターとして配置します。

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価値向上ミーティング
1.期初:半日
・前年度末の調査結果の共有(再掲)
 ・マネジメント基礎、コーチング、ブランディング基礎(テーマは毎年変更)
 ・ディスカッションミーティング①
2.期初:半日
 ・ディスカッションミーティング②
 ・内容の共有(発表)
3.期末:半日
・今年度の調査結果の共有
・調査分析と説明
 ・ディスカッションミーティング③
 ・内容の共有(発表)

 成果 

■ 見るべきポイントが「数字」ではなく「人」へと

今回の取組みは、人事制度にも手を入れたこともあり、そのインパクト・効果は組織的に大きなものがありました。社員のメンタリティーとしても合併した「2つの風土の違い」に着目することが少なくなりました。それよりもどうやって「ひとつの新しい風土」に統合するかという意識へシフトしたと思います。特に管理職層においては、マネジメントの考え方やスタイルに大きな変化が見られました。ある人は、短期に業績をあげる「尻叩き」のマネジメントから、ESをあげるマネジメントへとシフトしましたし、ある人は部下への指示の内容が、サービスを「売ってなんぼ」よりも、顧客の「反応を良くしてなんぼ」へとシフトしました。経営層としても、このミーティングはPDCAサイクルそのものだという認識になっています。したがって今回の取組みは、「ひとつの風土」にするためではなく、ましてや時限的に展開するイベントでもなく、「マネジメントスタイル」でありそれを継続し続けることという認識になっています。

 参加者の声 

● 「MBOに活かせるので価値向上ミーティングの場は非常に役立つ」(開発課長)
● 「他の部や課の状況を知ることができる場なので、刺激になる」(業務支援担当)
● 「職場全体が、管理されている感覚ではなく自分たちメンバーで課をよくしていこうという感覚になってきたと思う」(開発担当)

 この事例で取り入れた研修メニュー 

#マネジメント基礎 #コーチング #ブランディング #組織開発 #ケーススタディー

 キーワード 

#組織風土 #組織開発 #マネジメント #PDCA #コーチング・メンタリング・ファシリテーション #自律型社員

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