【新入社員研修】早期離職を防止する職場ぐるみの新入社員育成とその風土づくり

会社の業態:建築・電気設備
従業員:従業員1,000人以上
担当者:人事部 部長様

目的を明確に、現場と連携し、関わる人・チームのコミュニケーション密度を上げる

当社はいわゆる建設系の会社ですが、多岐に及んだ事業をカバーしています。大きな物件・案件ではゼネコンの下のサブコン的な立ち位置であったり、中小規模の案件では、ゼネコン的な立ち位置で管理業務をしたり、あるいは電気系の設備会社として現場に携わることもあります。目先の業況的は良いですが、この先中長期的には不透明な状況で、新たな市場・顧客開拓と技術開発には余念がありません。一方で「人」問題は恒常的です。仕事上、幅広い知見とナレッジが必要とされ、面白くやり甲斐のある仕事ではありますが、一般的なイメージとしてガテン系で力仕事という見られ方をされることも多く、若手新卒の採用に非常に苦労しています。

 課題・背景 

■ 若手の離職が止まらない

上記のようなイメージもあって、伝統的に男性の多い職場ではあります。しかしそのイメージを払しょくし、多様で優秀な人材の確保が急務だという考えから女性や外国人の採用を増やしていこうと努力をしてきました。その甲斐あって、徐々に採用の人数も増え、さらにその多様化も進んできました。しかし、それに伴って離職する人材がどんどん増えるようになってきました。入社5年目以上の中堅クラスになると退職する人材はあまりいないのですが、若ければ若いほど退職率は高いという状態が続き、経営的にも大きな悩みの種となっていました。そこで新入社員研修に注力するべく講師にご相談をしたところ、まずは入社一年目でどういうことが現場で行われているのか、しっかり現状を整理しましょうということになりました。
 
実際の現場、昨年の新入社員(現2年目社員)も巻き込み、話を聞いてみたところ、判明したことは、「①現場案件の種類と、育成担当者(ブラザーと称し、人事から指名しています)の姿勢にバラツキが大きい」ということでした。結果的に「②新入社員の多くが現場で「放置されている」と感じたことがある」というものでした。そして、そのまま辞めてしまった人材も多いとのことでした。
 
これまで、新入社員は入社式の後、直ぐに適宜振り分けられた事業部、そして現場へと配属されていました。ところが全く同じ場所に全く同じ建物を建てることはないのですから、当社にはひとつも「同じ案件」というものはありません。忙しさも進捗も、その時に配属された現場によってかなりバラツキがあるものです。それに加えて育成担当者(ブラザー)もその力量や多忙さがまちまちで、さらに元来、当社の職場風土として「背中で覚えろ」という職人気質なところもあり、結果的に何も教えてくれずに「放置された」と感じる新入社員が大勢いたということでした。

 提案プロセス・実施施策 

■ 「OJTと職場ぐるみ」による新入社員研修

講師の提案は、研修プログラムもさることながら、職場ぐるみで新入社員を育成するという風土づくりでした。まず、圧倒的にOff-JTとしての研修が不足しているというご指摘で、ご提案に沿って導入研修の期間を2週間(10日間)設けました。これによって、技術の伝承だけでなく同期同士の連帯を深め、孤立感をなくすことに注力しました。

次に、研修「期間」という考え方が必要とのことで、正式な現場配属は2年目からとし、1年目は現場に出るものの、3か月に1回(年間4回)のローテーションが行われ、その期間の1年は人事部配属としました。これによって現場のいわゆる「アタリハズレ」をなくしました。

最後に現場側ですが、現場側にとっても3か月ごとに異なる新入社員が来ることになるので、育成担当者を輪番制にしつつ、3か月ごとに職場単位で育成レポートの提出を課しました。これによって、育成担当者の「アタリハズレ」の緩和をはかりました。また、その大前提として、今回の制度への理解と新入社員を受け入れる際の意識や育成担当者へのガイダンス研修も合わせて行いました。

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【新入社員研修】
1.Off-JT研修:2週間(10日間)
① 当社の歴史、ビジョン、理念について:2日間
② ビジネスマナー、事業プロセス(プロジェクトの進め方)、仕事プロセス(ホウレンソウ、日報の書き方、労務など):3日間
③ 分野別技術研修(建築現場の技術、法律など)(事務・営業系):5日間

2.OJT研修:3か月×4回転
① 各現場OJT
② 職場内(週会議)で、自身の気づきスキルアップについて報告(週に1回)

【職場向けガイダンス(研修)】
新入社員受け入れに際して:1日
① 人材育成の考え方と実践
② イマドキの新入社員(キャリアについて)
③ 育成担当者ガイダンス

 成果 

■ 離職激減、職場の活性化

まずは、新入社員本人について。本研修の実施された年度から離職は激減しました。初年度からこれほど効果があがるとは想定していませんでした。逆に言えば、それほど「現場案件のバラツキ」「育成担当者のバラツキ」が大きかったということでしょう。

次に、職場について。新入社員は「職場全体で育成する」という感覚が広がったというのがまず大きな成果です。それまでは、新人と言えば、育成担当者が預かるもので、周囲はあまりタッチしないという感覚でした。それが、今は少し大げさですが、一昔前の日本によく見られたような、近所に住むお兄さんお姉さん、おじさん、おばさん達が皆で面倒を見ているような感覚になりました。そこには、新入社員をお客様扱いしないという厳しさも必要ですが、その点も事前に講師の先生から、職場向けのガイダンス(研修)を行っていたので大きな混乱もなく、進められました。

さらに、職場について。当初あまり想定していなかった効果として、「情報収集のやり方」「ホウレンソウのやり方」「会議の仕方」「施主さんや業者さん、ディベロッパーさんなどとの接し方」などが、全社的に標準化へ向かっていることです。それまでは職場(上長)によってかなり特徴がありましたが、新入社員が各職場を転々とすることによって結果的に媒介役のような形になって、それぞれの職場が相互にちょっとしたノウハウを「いいとこ取り」していき、結果として標準化されつつあるという現象が起こっています。

 参加者の声 

●「最初の2週間が濃密で、同期の一体感が強まったと思います。」(新入社員)
●「各職場でとても親身に指導いただいて、離れる際はいつも名残り惜しいです。」(新入社員)
●「職場として新入社員には「上司の目」と「親の目」の両方を持つ必要があると感じた。優しくすることだけではなく、時には厳しく指導することや、叱ることも必要。」(職場側 設計部)

 この事例で取り入れた研修メニュー 

#新入社員研修 #理念&ビジョン研修 #ビジネスマナー研修 #仕事の基本・業務の進め方研修 #メンタリング・コーチング・リーダーシップ研修 #部下指導研修

 キーワード 

#新入社員 #退職・離職防止 #若手活性化 #組織活性化・職場風土

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