【ビジネスモデル理解と説明力強化】現場の担当者を全社目線に引き上げる

会社の業態:精密機器系部品メーカー
会社の規模:従業員100人~500人未満
ご担当者:人事・総務部長様

現場の担当者を全社目線に引き上げる実践型トレーニング

当社は地方の電機機器メーカーです。大手精密機器メーカーに部品を供給しています。納入先を大手の一社に傾注していた構造から数年かけて脱却し、他業界(輸送機器系など)に向けて供給する部品点数を増やし、ある程度の安定的な受注生産体制をとっています。足元の業績は悪くないですが、今の製品、今の技術だけで戦っていくには、中長期的には尻すぼみだと考えています。全社的な組織の気質としては、これまでは納品先含めお客様からのオーダーに真面目に応えるという姿勢は強かったものの、逆にそれ以外は弱いものがあり、今後は自らの技術や価値を積極的に発信・アピールしていかなければならないと感じています。

 課題・背景 

当社は、創業者が大手メーカーと強いコネクションを持っていたことによって生まれた部品供給会社という歴史があります。創業当初はそれでよかったのですが、納品先メーカーの担当者も代替わりするとともに、当社も創業者から事業継承が進み、現在は3代目が経営者となっています。納品先メーカーと当社の関係性も、かつてのような粘着性の高い関係ではなく、良い意味でビジネスとして取引をする関係へとシフトしています。そうなると、納品先が一社だけに傾注している状態は経営的なリスクとなってきました。

そのような背景があり、10年の時間をかけて営業開拓を進め、また周辺技術の開発、個々人の技術力の向上にも(資格取得など)力を入れてきました。こうして、他の納品先、他業界への供給などを積極的に展開できるようになり、現在のようなある程度の安定した受注生産体制を整えてきました。

そんな中、現在の経営課題はトップ曰く「ビジネスマインド・経営者意識が足りない」ことです。周辺技術の開発を増やしたことや営業部隊の創設などによって、組織が機能分化され、個々人の視野が狭くなり、特定の技術や特定の納品先(業界)以外のことに無頓着になってしまっている点です。マネージャー層以上になると、ローテーション等によって専門以外の部隊を経験するようにさせていますが、それからでは遅いということで、トップから「担当者の頃から全社視点の感覚を持たせられないか?」という人材育成に関する強いオーダーがありました。

 提案プロセス・実施施策 

■ 自分の仕事を経営の中に位置づける

講師・コンサルタントに相談したところ、ご提案いただいたのは担当者の「持ち場説明」プログラムです。私たちも、最初はピンときませんでした。

当社では仕事柄、仕入れ先・納品先様はじめ頻繁に商談等のご訪問をいただいていますが、その際に工場の見学もしていただくように勧めています。品質の高さや安全性などを感じていただくのが目的です。このとき、工場内を案内する担当を総務や営業だけでなく、その工程を担当している人間が「持ち場」つまり業務の内容を説明するというものです。担当者が自分の担当工程を見学者に説明するには、技術のことをきちんと理解していなければならないのはもちろんのこと、全体プロセスの中での位置づけや課題なども(言える範囲で)説明しなければなりません。

これは実践的で良いプログラムだということで直ぐに本提案を実施することにしました。まず、どうやってビジネスが成り立っているのか、どうやって部品が出来ていくのか、経営課題、事業課題、製造過程における課題は何なのか、をきちんと理解する研修を行いました。プログラム内には当社のビジョンや理念を改めて再認識すること、そして技術や製造工程のことをどう伝え、説明したらよいのか、そのスキル向上も組み込みました。

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【研修プログラム:3日間】
1.経営概論
① 会社って
② ビジネスモデルって

2.自社を知る
① ビジョン、理念
② 戦略、今後の方向性
③ ビジネスモデルの現状と今後
④ 各現場で展開されていること、活動などの共有
⑤ 説明力、プレゼンテーション基礎

【持ち場実習:実践(3ヶ月程度)】
各自、持ち場での説明を実践する

【共有プログラム:1日間】
1.共有
① 「持ち場説明」をやってみて
② 経営の視点で何がいえるか?現場の視点で何があったか?

2.PDCAをまわすために
① 継承について考える
② 今後のアクションプラン

 成果 

■ ひとつ上の目線の獲得、自然発生的な協力体制

上記研修後には、実際に見学者に対する持ち場での説明が行われました。そして半年後に研修後には、共有する場としてフォロー研修を行いました。

そこで共有されたことは、まず見学者の反応が大変良かったことです。これが最も大きな成果でした。そして、当所のねらいであった「全社視点感覚」の獲得についても、想定していた以上の成果だったと感じています。

実際の見学者の方からは、技術だけのことではなく上流・下流工程との繋がりや全体プロセスでの位置づけなどの質問が出てきます。それに応えようとすると、やはり自分の担当する技術以外のことにも目を向けていないと説明できないからです。

また、実践が始まった当初は、担当者が手を止めて説明しなければならず、業務が滞るという不満もありましたが、それも周囲が協力していくということが自然と生まれるようになってきました。そんな自律的な思考も生まれており、経営トップとしても人事としても頼もしく感じられるようになりました。

 参加者の声 

● 「最初は嫌だったが、お客様の反応がその場でわかるので、説明が面白くなってきた。」(製造担当)
● 「お客さまから、最終部品をどういう風に使われているか教えてくれることもあり、逆に情報が沢山入ってくるようになった。」(ライン長)
● 「技術のことは、工場の担当に聞かないと分からないことが多く、お客さまと工場担当の伝言ゲームになることもあったが、工場見学をしていただくと一気に話が進んでありがたい。」(営業担当)

 この事例で取り入れた研修メニュー 

#理念&ビジョン研修 #ビジネスモデル・事業戦略研修 #技術研修 #説明力強化・プレゼンテーション研修 #傾聴力・コミュニケーション研修

 キーワード 

#CS・ES #製造プロセス #自律性 #組織活性化・職場風土

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