【グローバル人材育成】事業拡大段階の「資本のグローバル化」期における異文化理解と現地マネージャー育成

会社の業態:合成樹脂の製造・加工・販売、医療機器の製造・販売
会社の規模:従業員100人~500人未満
ご担当者:人事部長様

当社は、塩化ビニールを中心とした合成樹脂の製造・加工・販売を行っている会社です。最終製品や部品の材料であったり、物流時の梱包資材であったり、という形で価値を提供し続けています。加工や熱処理などの技術を強みとして自負してきました。

近年では、日系メーカーや物流会社のグローバル展開に伴って、一緒に海外に拠点を構えるようになってきました。海外拠点は、当初は日本からの輸出の受け皿として機能していましたが、ここ最近では製造・加工・物流の機能を持つようになり、マネジメントを含め現地化へとシフトしています。

 課題・背景 

■ マネジメントできる人材がいない

海外展開における現地化に際しては、まずは日本人が現地人材をマネジメントすることから始まり、次第にマネジメント自体も現地化していくことを目指しています。しかし、日本人の現地マネジメントが想定していた以上に大変で、なかなか思うように進められない現実の壁がありました。

技術やモノ自体の海外への移転はそれほど難しくないのですが、人・組織面では特にコミュニケーションとマネジメントにおいて、大変苦労していました。文化や風習、とくに宗教の違いがあることは、もちろん頭では理解できるのですが、ビジネス上においても、オフィスにお祈りの場所(礼拝室)が必要であったり、断食の時期・時間が必要であったり、といった配慮が必要です。この配慮に欠けると、現地の方々のマネジメント層への不信や不満となって表れてきます。

さらに、実際の日本人赴任者が現地人材とコミュニケーションをとる際には、日本人特有の「行間」を読んだり、言葉以上のコンテクストをくみ取ったりといったことがない前提で話をしないとうまくいきません。例えば、「適温」とは何℃のことなのか、「適量」とは何kgなのか、という質問に答えられないという事態が起こります。

日本では確かな技術や知識を持っているマネージャーであっても、現地のコミュニケーションでつまずいてしまうということが頻繁に繰り返され、当社において海外でマネジメントが出来る人材を早急に育成しなければならず、経営課題の最優先事項としてあげられることになりました。

 提案プロセス・実施施策 

■ マイノリティー環境で育成する

当初は、日本において赴任前の営業(+現地語)教育に力を入れ、全社的に通信教育や研修を展開してきました。もちろん効果がなかったわけではありませんが、英語のスキルがあがることと海外マネジメントのスキルがあがることは一緒ではないことが如実に見えてきました。海外拠点に赴任した日本人マネージャーは、英語そのもので苦労しているわけではなく、マネジメントの難しさに直面しているわけです。また、海外拠点では日系企業の他社(日本人)との交流やネットワークはあるものの、社内マネジメントという意味では孤独な状況になっていることが多いことも分かってきました。

そんな状況にあって、講師からのご提案は、研修の一環として「マイノリティー環境に放り込む必要がある」というものでした。最も現実的な手段としては、海外駐在を模擬体験する「海外研修」プログラムです。いくら日本で「学ぶ」時間をとっても、実際の海外で「経験する」以上の効果はないという話です。確かに、日本において、英語をはじめ、海外マネジメントについて、現地の文化や風習について学ぶ時間をコスト(あるいは投資)として考えると、短期であっても現地のマイノリティーな環境(=他に日本人がいない状況)に身を置くほうが、長期的にはコストパフォーマンスが高いはずです。また、投資対効果としては、より若い人材のほうが高いだろうという仮説のもと、海外志向の強い若手人材を中心に研修派遣することにしました。

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【研修プログラム】

【派遣前】
1.事前学習:半年
主に英語を中心とした自主学習(オンライントレーニング)
2.派遣前ブリーフィング:1日
事前学習、安全情報、その他プログラムの説明

【入国後】
1.イントロダクション:1日
① プレゼン(個人)
② ディスカッション(グループ)
2.フィールドワーク:2日
① キャリアビジョン、現状分析、提案ワーク(個人)
② 課題認識共有、仮説構築、リサーチ、ディスカッション、資料作成(グループ)
3.プレゼンテーション:2日
① キャリアビジョン&アクションプランプレゼン(個人)
② ビジネスプランニングプレゼン&ワークショップ(グループ)

* 以上を2回転

【帰国後】
1.社内フォロー:1日
社内報告会
2.プログラムフォロー:1日
担当トレーナー研修

 成果 

■ 手を挙げる機会がモチベーションに

人事の立場から、改めて机上の学習によるインプットよりも経験によるインプットのほうが、効果が高いことを思い知りました。明らかに、赴任してからマネジメントが軌道に乗るまでの期間が短くなりました。

また、本研修は必ずしも海外赴任を前提にした(約束する)ものではありませんが、それでも若手を中心に手を挙げる人材が増えてきました。そういう人材は海外赴任の有無に関わらず、モチベーションが高い人材が多いのですが、今回のように「手を挙げる機会」があると、それにつられて周囲の人材が自然と刺激、触発されてきました。

当社では風土診断等を実施していないのですが、それでも目標管理面談やキャリアビジョン面談などの内容を見ると、海外赴任者を輩出する部署やチームの士気があがっていることが確認できます。今後はこのような風土の醸成について定量把握を進めるとともに、海外赴任研修に限らず、手を挙げる機会、チャレンジする機会を増やすことによって、組織全体のモチベーション向上につなげるような施策を展開しようとしています。

 参加者の声 

●「疑似体験プログラムは自身のスキルやスキルアップが感じられて嬉しい。」(マネージャー)
●「もともと海外赴任を希望していたが、現実感が出てきた。ギャップも感じたが。」(マネージャー)
●「このような貴重な機会をもらえて感謝しています。期待に応えられるようにしたいと思います。」(マネージャー)
●「自身のこと、会社のことをきちんと説明する機会が貴重だった。海外では、ビジョンや理念など考え方をきちんと説明することが重要。」(マネージャー)

 この事例で取り入れた研修メニュー 

#語学研修 #異文化・ダイバーシティー #マネジメント基礎 #コミュニケーション #キャリアビジョン

 キーワード 

#グローバル人材 #語学研修・留学 #キャリアビジョン #現地化・海外赴任 #表現力(説明力・プレゼンテーション力・説得力・交渉力)

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