【同業種交流会研修】エンジニアの視野狭窄を打破するキャリアデザインとモチベーション向上

会社の業態:電子機器メーカー
会社の規模:従業員1,000人以上
ご担当者:人事部長様

当社は、オフィス機器やネット関連機器、ソリューションサービス事業を手掛けています。これまでメガヒット商品などに恵まれてきましたが、そもそもはエンジニアの集団であり、工場も持っていますが、研究開発的な気風を持つ会社です。

メガヒット商品や海外展開、あるいはM&Aなどもあり、企業規模として大手といわれるように大きくなりました。拠点も増え、扱う事業や商品も多様になりつつあります。一方でモノづくりの会社だというDNAは持ちつつも、主要な価値はソフト分野やソリューションサービスへとシフトしており、会社全体としてもそのような意識を持つ組織へと変わりつつあります。

 課題・背景 

■ エンジニアの視野がどんどん狭くなる
 
当社における多くの社員は、「我々はエンジニアであり、技術者集団だ」という感覚を持っています。その一方で事業と組織が大きくなるにつれて、その弊害も見えてきました。例えば技術開発について、失敗が許されない雰囲気に包まれてきています。担当者に対しても間違いのないロードマップを描くことが求められ、予算必達の圧力が強まっています。あるいは、組織が大きくなると○○製品の△△部品の××技術におけるエンジニアというだけでも、数十人いるという状態になってきます。そうすると一人の担当者が扱う技術に関しては、かなりニッチなものになります。一定の専門性は高まるかもしれませんが、部品全体、あるいは製品全体といった視野でモノを見ることは少なく、まさに「隣は何をする人ぞ」という状態になってきてしまいます。

専門性を高めることは良いことなのですが、それ以外への関心が希薄なり、視野がどんどん狭くなってきました。目の前の技術について開発すればよいという感覚です。さらに、会社の戦略や方向性についての関心も低くなり、エンジニアとしてのキャリアについても考える機会が極端に少ないこともあり、結果としてモチベーションの低下も見られるようになってきました。
 
エンジニアの視野が狭くなるという懸念は従前から声があがっていました。経営陣としてもこの課題を重要していたものの、どうしても事業性と効率重視に押されてしまっている状態でした。また、人事としてもこの課題に対して、どのような手を打つべきか考えあぐねていました。

 提案プロセス・実施施策 

■ 同様の課題の会社で集まる

私どもがご相談したコンサルタントと講師との議論を通じて、これは当社だけの課題ではないことを知りました。多かれ少なかれ技術者を抱える組織にとっては共通の課題認識があるということで、講師のご紹介で、何社かの人事あるいは技術者を束ねる部隊の責任者の方々とお会いする機会をいただきました。

講師も交えて議論を重ねた結果、それぞれの会社から比較的若手のエンジニアを何人か出し合い、交流型の研修をしようということになりました。単に交流ではなく、エンジニアのキャリアの質を高めてもらう機会にしようというものです。
 
プログラムは、敢えて視野を広げるようなコンテンツや、キャリアについての講義などは一切組み込まずに、他社に出向き、そのエンジニアの仕事の仕方、姿勢、想いについて紹介を受けるというプログラムに特化しました。そこからある意味で「危機感」が生まれるだろうと思ったのです。

結果的に当社を含め同様の課題認識を持つ組織、4社の集まりになりました。ABCD社とすると、月に1日の開催として各会社が持ち回りで1セッションを担当するという形式をとりました。そして担当会社(ホスト会社)が、その月のプログラムを企画し、自社の工場や、企画や設計エンジニアの現場を見せながらプレゼンテーションし、その後4社合同でディスカッションを重ねるというものです。

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【研修プログラム】

1.合同オリエンテーション(半日)
本プログラムのガイダンスと参加者への期待

2.セッション(1日×4)
① A社見学(工場、エンジニアの職場)
② プレゼンテーション(A社のスタンス、エンジニアのスタンス、仕事の仕方など)
③ 合同ディスカッション(自社との違い、自分との違い、気づきなどを共有)

※上記をB・C・D会社についても同様に開催
※この間、事務局の会議を複数回開催

3.合同振り返り(半日)
自身の気づきと今後についての発表・共有

 成果 

正直なところ、これほど面白いプログラムになるとは思っていませんでした。参加したエンジニアのメンバーは私どもが当初想定していたよりも大きく成長して一皮むけたように思います。また、集まった4社の事務局の方々の意識が大変高く、私ども人事メンバーも大変刺激をいただきました。

まず、企業訪問や工場見学をすると、エンジニアの技術屋魂に火が付くとでもいうのでしょうか、当社が派遣したエンジニアメンバーも他社工場や現場を食い入るように観察し、その場で次々と質問がおこりました。これらの質問やディスカッションは、結果的に突き詰めると、その「設計思想」や「会社の姿勢」「現場エンジニアの想い」といったものに行きつきます。それがまた、自社や自分との比較になって大きな気づきを生みました。

私どもが最も大きな成果だと感じたのは、当社のエンジニアが他社を訪問し、同世代のエンジニアの話を聞いた際に、自分たちよりも高い視座や、責任感を持って仕事に取り組む姿を見たり、懸命に自己啓発をしている姿を見たことです。これによって、大変大きなショックを受け、自分もやらねばと奮い立ったエンジニアが大変多かったのです。

大きな気づきを得たメンバーは、自社に戻ってプロジェクトのリーダーを買って出るようになりましたし、部門を超えたプロジェクトや技術会議などでも積極的に発言するようになりました。また、研修終了後も、他の3社のエンジニアとの交流が自然発生的に生まれたようで、イベントの合同開催に発展したり、プライベートでの集まりや悩み相談が行われたりしているようです。

 参加者の声 

● 他社の方々との交流は非常に刺激になった。自分のキャリアについても深く考えさせられる機会になった。(開発2部)
● 業種が異なるからこそ、話せることが多く(競合には言えない)、お互いに切磋琢磨できる仲間に出会えて良かったです。(開発1部)
● ホストセッションの時は大変だったが、自分が自社のことをあまり知らなかったこと、自分が自分自身のこともあまり知らなかったこと、を思い知らされた。(開発2部)

 この事例で取り入れた研修メニュー 

#異業種交流 #エンジニア・IE #マネジメント #コミュニケーション #キャリアビジョン

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